kaneQの中学受験算数講座

図で考えれば中学受験算数なんて怖くない!

方程式は使ってはいけないのか?

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こんにちはkaneqQです

今回は、算数の勉強から少しはなれ問題を解くための立ち位置の確認をしたいと思います。具体的には、本サイトにおける方程式の扱いをある程度明確にしておこうと思います。いつもの勉強ではないので読み飛ばしてくれて大丈夫です。また、内容も難しいので理解できなくても問題ないです

よく、中学受験算数では「方程式を使ってはいけない」「方程式は使うべきではない」という記事を目にします

では実際にはどうなのでしょうか?
と問題提起しましたが、、、 この議論はよその記事におまかせします。すみませんm(__)m

私は
「自分が自然に理解できる範囲でなら積極的に使うべき」
と考えてます。方程式の考え方を使わないと説明が難しい解法がたくさんあるのです
例えばつるかめ算を面積図という解法で解く場合、本記事に掲載した問4の解2は方程式を利用する事で簡単に解くことができています
本サイトでは方程式を使った方が自然な場合には方程式(または方程式もどき)を使いますので、その点を理解しておいてもらえるとうれしいです


ただ、本サイトで扱う方程式(または方程式もどき)は一元方程式までにとどめるつもりです

以下では方程式の使用例をいくつか紹介しておきます。本サイトでは問4の解3くらいまでの考え方は使う事があります。問4の解4は使いません
(ちなみに、問4に関しては解2を使用するのが圧倒的に早く解けるので解2をお勧めします)

問1:イチゴが10個あります。何個か食べたら4個残りました。何個食べましたか?

食べた数を□個とすると
10 ー □ = 4 (一元一次方程式)
が成り立ちます。よって
□ = 10 ー 4 = 6
となり、食べた数は6個とわかります。実際にはこのように式を書く人は少ないと思いますが、頭のなかでは「10 ー 4」を考えているはずです


問2:25平方センチメートルの正方形があります。この正方形の一辺の長さは何センチメートルですか?

一辺の長さを□センチメートルとすると以下の式が成り立ちます。
□ × □ = 25 (一元二次方程式もどき)
この式で□に1、2、3・・・と当てはめていくと
□ = 5
である事がわかります。よって、一辺の長さは5センチメートルとなります
なお、上記を一元二次方程式と言ってしまうと
□ = 5 または -5
となります。しかし、ここでは「-5」は考えない事にします。よって、「もどき」という表現を使わせてもらいました


問3:125立方センチメートルの立方体があります。この立方体の一辺の長さは何センチメートルですか?

一辺の長さを□センチメートルとすると以下の式が成り立ちます
□ × □ × □ = 125 (一元三次方程式)
この式で□に1、2、3・・・と当てはめていくと
□ = 5
である事がわかります。よって、一辺の長さは5センチメートルとなります


問4:鶴と亀があわせて15匹います。足の数はあわせて40本です。亀は何匹いますか?

(解1)
すべて鶴とすると足の数は
2×15= 30
で10本足りませんね。亀が1匹増えると
2×14 + 4 × 1= 32
で足の数の合計が2増えます。
40 - 30 = 10
なので足の数の合計を10増やすために亀を□匹と考えると
2 × □ = 10(一元一次方程式)
となり
□ = 5
となり亀は5匹ということがわかります

(解2)
面積図を使う方法
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全体の足の本数は青枠で囲った部分の面積と考えると40です
この図で赤枠でかこった部分の面積は
2×15= 30
となり、よってオレンジ色の枠で囲った部分の面積は
40 - 30 = 10
となります。ここで亀の数を□匹とすると
2× □ = 10(一元一次方程式)
が成り立ちます。よって、
□ = 5
となるので亀は5匹ということがわかります

(解3)
面積図を参考に亀の数を□として式に落とし込む方法
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4 × □ + 2 × ( 15- □ ) = 40(一元一次方程式)
この式を展開すると以下のようになります
4 × □ + 30 - 2 × □ = 40
この式を整理すると
2 × □ = 10
となり、
□ = 5
と求まります。よって亀は5匹という事が分かりました

(解4)
面積図を参考に鶴の数をx、亀の数をyとして式に落とし込む方法
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鶴の足は2本で、亀の足は4本で足の数の合計が40なので
2 × x + 4 × y = 40・・・①(二元一次方程式)
が成り立ちます。また、鶴と亀をあわせると15匹なので、
x + y = 15・・・②(二元一次方程式)
が成り立ちます。①、②をあわせるといわゆる連立方程式となります
②の式を変形すると
x = 15- y
となり、このxを①の式のxに代入すると
2× ( 15 - y ) + 4 × y = 40
となります。この式を整理すると
30 - 2 × y + 4 × y = 40
となり、さらに整理すると
2 × y = 10
となり、最終的に
y = 5
となります。よって、亀は5匹という事が分かりました

おそらく世の中の「方程式を使ってはいけない」「方程式は使うべきではない」という意見の大半は連立方程式の事を指していると思われます
上記例の問1から問4の解2くらいのレベルは使っても弊害はないのです

如何でしょうか?

 [Rev.0.00 2020/2/3]