5-1. 面積図 - 入門 -
[Rev.0.00 2020/3/22]
こんにちは、kaneQです
「算数は図で考える」を身に着け、算数の成績を伸ばしましょう
参考:目次
これから「面積図」の学習をスタートします
とりあえず、「入門」「基本」「標準」に分けて進めます。今回は「入門」です
「入門」のゴールは以下です
ゴール:問題文をそのまま面積図に書く感覚を身につける
【はじめに】
文章題を解くためには、足し算、引き算、かけ算、わり算、少数、分数、比、割合等の知識だけでなく、「図を書く力」が大事だという事を学んできました。図を書く事で数量の関係を明確にし、解くための式が導けるようになります。算数が得意な子は、例外なく「図を書く力」が身についているのです
今回は、「線分図」に引き続き、応用範囲の広い面積図を理解する事にします
【面積図とは】
ところで面積図って何でしょう?
面積図とは、2つの数をかけて求める数量を四角形の面積で表した図の事です。面積図で扱う数量は、距離、食塩の量、足の数、日数などなんでもよいです
面積図=数量を表す図
くらいに覚えておくと良いでしょう
算数の問題を解くときは、「問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く」を意識してください。とはいえ、初めは、「そのまま図に書く」ができないかもしれません
本記事では入門編として、超簡単な問題から入っていきたいと思います。以下のそれぞれを面責図であらわしてみましょう
【問1】
3×4= □
【問2】
7×□=35
【問3】
6人にビー玉を3個ずつ配るとき、ビー玉は何個必要ですか?
【問4】
時速40kmで車を3時間運転すると何km進みますか?
【問5】
7%の食塩水が1500mlあります。この食塩水には食塩は何グラム溶けていますか?
【問6】
ツルが2羽、カメが3匹います。合計で何匹いるでしょう。また、足の数の合計は何本ですか?
それでは順番にやってみましょう
【問1】
3×4= □
分かるでしょうか。難しく考える必要はありません。3という数、4という数を四角形の縦と横に書いてみましょう
これだけです。四角形の面積は縦×横なので□は四角形の面積ということが良く分かります
□=12
となります。わざわざ図にするまでもないかもしれませんが、面積図ってこんなもんです
【問2】
7×□=35
次はこれを線分図であらわしてみましょう。これも同じです。7という数と□という数を四角形の縦と横に書いてみましょう
これだけです。そして、7と□をかけたのが四角形の面積であり35なので
□=35÷7=5
となります。図に書くと数量どうしの関係がよくわかるようになると思いませんか?
【問3】
6人にビー玉を3個ずつ配るとき、ビー玉は何個必要ですか?
少し問題の形式がかわりました。しかし考え方は同じです。6人と3個を四角形の縦横に書いてみます
こうなります。四角形の面積は、「必要なビー玉の数」と意味が等しいという事がよくわかりますね。答えはいうまでもなく
6×3=18(個)
となります。面積図のイメージがわいてきたでしょうか?
【問4】
時速40kmで車を3時間運転すると何km進みますか?
こちらも同じく面積図であらわしてみましょう、時速40Kmで3時間進む距離は
距離=時速×時間
なので同じく面積図であらわせます
進んだ距離は40×3=120kmという事を見える化できました
【問5】
7%の食塩水が1500mlあります。この食塩水には食塩は何グラム溶けていますか?
もう説明するまでもないと思います。「7%の食塩水」「食塩水が1500ml」の食塩の量は濃度と食塩水の量をかければもとまるので面積図であらわせますね。7%を比であらわすと0.07なので、、、
このようになります。食塩の量は0.07×1500で105gという事を見える化できました
【問6】
ツルが2羽、カメが3匹います。合計で何匹いるでしょう。また、足の数の合計は何本ですか?
今度は、面積図を書く対象がツルとカメの2種類になりました。しかし悩む必要はありません。それぞれを面積図で書いて並べるだけで良いのです
ツルに関しては2本と2羽を四角形の縦横に書いてみます。カメに関しても4本と3匹を四角形の縦横に書いてみます。すると以下のような図が書けます
「合計で何匹いるか」は2+3=5で5匹となります
「足の数の合計」はツルの足が2×2で4本、カメの足が4×3で12本なのであわせると4+12で16本ですね
このように図を書く対象が複数になった場合は面積図も複数にして並べる事で全体像が見えやすくなるのです
ところで、合計の足の数ですが他にも求める方法が少なくとも2通りあります。わかるでしょうか?四角形の面積の問題として求めていくのです
まず1つ目の方法です
赤枠で囲った部分の面積を①とすると①は2×5で10となります。また、青枠で囲った部分の縦の大きさはカメのあしが4本でツルの足が2本なのでこの差となり4-2で2となります。よって青枠で囲った部分の面積を②とすると②は2×3で6となります。合計の足の数は①と②の合計なので10+6となり16本という事がわかります
2つ目の方法です
赤枠で囲った部分の面積を①とすると①は4×5で20となります。また、青枠で囲った部分の縦の大きさはカメのあしが4本でツルの足が2本なのでこの差となり4-2で2となります。よって青枠で囲った部分の面積を②とすると②は2×2で4となります。合計の足の数は①と②の差なので20-4となり16本という事がわかります
このように面積の合計を求める方法は何通りかあります。問題で与えられた条件を使ってどのように面積を求めていくかが面積図の醍醐味となります。面積の求め方は1つではなく複数あるという事を頭の片隅に入れておいてください
さて、今回の目的は「問題文をそのまま面積図に書く感覚を身につける」でした。「そのまま図に書く」ということはどういうことかわかったでしょうか
「そのまま図に書く」は訓練が必要です。すんなり身につけば良いです。そうでない人は、文章題に限らず1行問題等でも「図にかけるものはどんどん図を書く」という練習をしてみましょう
面積図をマスターすると、世界が広がります!問題が早くとけるようになります!
次回は、面積図を使用して答えを導く具体例の紹介と、もう少し複雑な面積図の紹介をしたいと思います。楽しみにしていて下さい
【おまけ】
面積図について少し気を付けて欲しいポイントがあります
線分図は文章題を理解しやすく整理するために使います(理解しやすく整理する事を「見える化する」とか「可視化する」ともいいます)。問題によっては「線分図を使って問題文を見える化する」がほぼ必須になることもあります
一方、面積図は問題文を見える化する手段としても使いますが、見える化する事よりも問題を速く解くための手段として使う意味の方が大きいと言えます。悪い言い方をすると、面積図は問題を早く解くための単なるテクニックなのです
面積図は濃度算や鶴亀算を解く時に使う事が多く、面積図を使う事であっという間に答えを導く事ができてしまいます。しかし少し複雑な問題になると面積図では逆にむずかしくなってしまったり、解けない事があるのです
面積図を身につけると、今まで考えもつかなかった解き方に感動し、なんでもかんでも面積図で解こうとしてしまいます。そして、問題文の意味の理解が不十分なまま問題を解く事になれてしまう事があります。実際に、面積図の図がかけてしまうと、問題文の意味を理解しなくても答えを導く事ができてしまうのです
このように、面積図は非常に便利なテクニックであるとともに、非常に危険な考え方と言えるのです。面積図を過信すると算数の論理性が身につかず、成績も伸び悩む事になります。なので、
「面積図で解ける問題も、オーソドックスな解き方でも解けるように練習」
して下さい。その上で、
「面積図は問題を早く解くためのテクニックとわり切って使う」
ようにしましょう!
参考:目次