kaneQの中学受験算数講座

図で考えれば中学受験算数なんて怖くない!

5-2. 面積図 - 基本 -

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[Rev.0.00 2020/4/8]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次


前回は「入門」として「問題文をそのまま面積図に書く感覚を身につける」に取り組みました
本記事では、「基本」として問題を解くうえで押さえておくべき事を紹介します


「基本」のゴールは以下です
ゴール:図を使って問題を解く場合のポイントを理解する

 

本記事では以下の問題を面積図で考えてみましょう


【問1】
何人かの子供にビー玉を配ります。1人に3個ずつ配ると18個あまりますが、1人に5個ずつ配るとちょうど分けられます。子供は何人いるでしょうか。

【問2】
1個20円のアメと1個30円のガムを合わせて20個買いました。合計で520円はらいました。アメとガムはそれぞれ何個買ったでしょうか?


両方とも基礎的な問題です


【問1】
何人かの子供にビー玉を配ります。1人に3個ずつ配ると18個あまりますが、1人に5個ずつ配るとちょうど分けられます。子供は何人いるでしょうか。

「何人かの子供」「1人にビー玉を3個ずつ配る」を面積図の形式で書くとこうなります。子供の数はわからないので☐としました

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次に「18個あまります」をつけ足してみましょう

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ビー玉の全体の数は赤枠で囲った部分になります

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この問題を解くのに「ビー玉全体の数」を意識する必要はないのですが、面積図を理解する意味で「ビー玉全体の数」も意識しておいてください

次に、「1人に5個ずつ配るとちょう分けられます」を書き足すとこのようになります

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「1人にビー玉を3個ずつ配る」を18個あまり、「1人に5個ずつ配る」とちょうど分けられるという内容が面積図により分かり安く整理できました

 

ここからどうやって問題を解くか?

少し考えてみて下さい

 

線分図と同じく、図からわかる事を図に書き足してみましょう。5個と3個の差分は2個ですね。この差分の2個を図に書き足してみます

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どうでしょうか。見えてきたでしょうか?

わからない人のためにポイントとなる部分の図を抜き出して書くとこのようになります

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もうわかりますね。2個 × ▢人が18個なので、☐=9つまり子供は9人いる事が分かります

 

解き方の流れは線分図と同じです。まず問題文を先頭から順にそのまま図に書きました。次に、図から分かる事を図に書き足しました。面積図でもこのステップが適用できる事がわかりましたね


【問2】
1個20円のアメと1個30円のガムを合わせて20個買いました。合計で520円はらいました。アメとガムはそれぞれ何個買ったでしょうか?

この問題はいわゆる鶴亀算(つるかめざん)とよばれる問題です。先ほどと異なり今度はアメとガムの2つの量を考える必要があります。しかし、難しく考える事はありません。入門編で説明しましたが、2つの量をそれぞれ分けて図に書けば良いのです

「20円のアメ」「30円のガム」「合わせて20個」を分けて書いてみます

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「合計で520円」は以下の図の赤枠で囲った部分である事は理解できるでしょうか

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「20円のアメ」の四角は20円のアメを何個か買った料金です。「30円のガム」の四角は30円のガムを何個か買った料金です。なので、これらを足した赤枠の部分が「合計で520円」となるのです

さて、図から分かる事を書き足していきましょう

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アメの個数、ガムの個数はわかりませんが全体の個数が分かってます。アメが1個20円で全体の個数が20個なので緑線で囲った部分は20円×20個で400円である事が分かります。ここで、合計が520円なので。。。

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青線で囲った部分が520円―400円で120円である事が分かります
ここで、青線で囲った部分の縦の量を考えてみましょう。ガムが1個30円でアメが1個20円なので青線で囲った部分の縦の量は30円-20円で10円となります。さらにガムの個数を☐として図に書き足してみましょう

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どうでしょうか。見えてきたでしょうか?

わからない人のためにポイントとなる部分の図を抜き出して書いてみます

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もうわかりますね。10円 × ☐個が120円なので、☐=12つまりガムの個数は12個だという事が分かりました。まだ終わりではありません。アメの数は何個になるでしょうか。こちらは簡単です。合計が20個なのでアメの数は20-12で8個となります

 

この問題も解き方の流れは同じです。まず問題文を先頭から順にそのまま図に書きました。次に、図から分かる事を図に書き足しました

 

さて、上ではまずガムの数を☐として求めました。逆にアメの数から求める事もできます。まず1個30円のガムが20個あった場合を考え、合計の520円との差分を考える事でアメの数を☐と置いて解く事もできるのです。細かい説明は省略しますが、このように考えた場合の完成図は以下のようになります

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ポイントとなる部分を抜き出すとこのようになります

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10円 × ☐=80円なので☐は8、つまりアメの個数が8となります。ガムの個数は20-8で12個です

 

解き方は何通りもある事が分かります。これは線分図や面積図に限ったはなしではありません。算数の問題の解法は何通りもあるのが普通です。余裕があれば解けた問題でも「他に解法はないか」を考えるようにすると良いでしょう。いろいろな解法を考えると、入試本番でも最初の解放でうまくいかない時にすぐに別の解法を思いつく事ができるようになるからです


ところで、面積図を書くうえで重要となるポイントがあります

算数が得意な子は無意識でできている事ですが、算数が苦手!図が書けない!図を書いても解き方が分からない!という子は面積図を書くうえでのポイントを身につけていない可能性があります0

「なにやらたいそうな事を覚えないといけないようだ」と感じないでください。難しくありません。一体どういう内容でしょうか?今回書いた図を見直してみます。まず、2つの量をそれぞれ分けて図に書きました。それ以外に気づく事はあるでしょうか

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何気なく図を書きましたが、「四角形のはしをそろえている」「そろえたほうと逆側で差を考えている」となっています。面積図は普通に書くとこうなりますが、「複数の量を扱う場合は分けて図を書く」「四角形のはしをそろえている」「そろえたほうと逆側で差を考える」は必ず守るようにしましょう

参考ですが、今回の問題の別の書き方を紹介しておきます。まず、面積図を上側でそろえる場合の例です

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次に、面積図を左側でそろえる場合の例です

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どのような書き方でもよいですが、「分ける」「そろえる」「そろえたほうと逆側で差を考える」がポイントになります


実際には、初めて問題に向き合ったときにいきなり正解の図がかけるとは限りません。むしろ、正解の図が書けない事が多いはずです

いきなり正解の図がかけない事は当たり前と思ってください。だれでもそうです

問題を見たらまずどんな図でもよいので手を動かしてみましょう。そしてうまく整理できなかったらすぐに別の図を書いてみましょう

別の図を書くときはわける、そろえるを意識しすると良いです。
面積図以外の図をかいてみるのも良いです

正解図は1つではありません。

ここまで見てきた「算数は図で考える」のポイントをまとめます


問題を解くポイント

1.問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く
2.図に書く事で見えてくる事を図に書き足していく
3.いつのまにか問題が解けている

 

こちらについては「2.事例紹介」でも説明しました。気になる人はもう一度見てみて下さい


「そのまま図に書く」ときのポイント

数量を比べたり整理するために

1.わける

2.そろえる

 面積図の場合:四角形のはしをそろえる

3.差はそろえた方と逆側で考える


解く力を伸ばすためのポイント

1.とにかく図を書く(図を書いて書いて書きまくる)

2.書いた図が分かりにくかったらすぐに別の図を書く

 分ける、そろえるを使ってみる

 線分図等の他の表現方法をつかってみる

 

それでは、頑張りましょう!

 

参考:目次