濃度算(食塩水)と面積図
[Rev.0.00 2020/4/16]
こんにちは、kaneQです
参考:目次
本記事では食塩水の問題(濃度算)を面積図を使用して解く方法を説明します
まず、公式のおさらいです。以下は必ず覚えて下さい
食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度
例えば「10%の食塩水500gに含まれる食塩の重さは?」は
食塩の重さ=500×0.1=50g
となります
それでは実際に食塩水の問題(濃度算)を解いてみましょう
【例題】
12%の食塩水300gと2%の食塩水200gを混ぜてできる食塩水の濃度は何%になりますか?
まず、公式を使った基本的な解き方を説明し、次に面積図を使った説明をする事にします
(解1:公式を使った基本的な解き方)
「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を混ぜるとありますのでそのままのイメージを図にしてみます(いわゆるビーカー図です)
混ぜた後の食塩水は300gと200gを足した500gになることが分かると思います。他に分かる事を書き足してみましょう
「12%の食塩水300g」には公式を使い食塩が36g含まれている事がわかります。また、「2%の食塩水200g」には4gの食塩が含まれていることが分かります。よって、混ぜた食塩水には食塩は36gと4gの和の40g含まれている事が分かります
混ぜた後の食塩水の重さは500gで、含まれる食塩は40gなのでこの食塩水の濃度は
濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さ =40÷500 = 0.08
となり8%である事が求まりました
次に面積図を使った解き方をみてみましょう
(解2:面積図をつかった解き方)
「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を混ぜるとありますのでそのままのイメージを図にしてみます
混ぜる事で何%かの食塩水が500gできました
なお、図では「食塩」と書いてある部分は食塩水に含まれる食塩の重さを表しています。例えば、「12%の食塩水300g」に含まれる食塩の重さは
12% × 300g
なので、食塩の重さは「食塩」と書いてある部分の「面積」となります
次に、混ぜたあとの図の食塩の部分に注目してください
混ぜる前と混ぜたあとで食塩の重さは同じなので、混ぜる事で①の部分の食塩が②に移動したと考える事ができます。つまり、
①の面積=②の面積
となるのです
①の面積と②の面積ですが、横の幅は300g:200gなので3:2という事が分かります。図に
を書き加えてみましょう。そして①の面積と②の面積は等しいので縦の幅は横の幅の「逆比」になり2:3となります。図に
を書き加えてみましょう
縦の幅の比を足すと
となり、この部分は12%と2%の差である10%に相当するので
となります。混ぜたあとの食塩水の濃度は以下の図で考えてみましょう
混ぜたあとの食塩水の濃度は
なので8%と求まります
面積図を利用して濃度算を解く場合、この「①の面積と②の面積が同じ」という考え方を使う事になります
説明が長くなりましたが、慣れると一番下の図だけ書いて解けるようになります
ここで、(解1:公式を使った基本的な解き方)と(解2:面積図をつかった解き方)を比較してみたいと思います
(解1)では、混ぜる前の食塩水に含まれる食塩の重さをそれぞれ計算で求め、混ぜた後の食塩の重さと食塩水の重さから濃度を計算しました
(解2)は比を使った簡単な計算だけで濃度が求まりました
計算の量で比較すると(解2)の方が圧倒的に少ないです。つまり、計算ミス等をする可能性も低くなります
一方で、(解2)は食塩水の意味を考えなくても問題が解けてしまいます。極端なはなし、面積図は横幅に食塩水の重さ、縦幅に濃度を置くという事だけ意識しさえすれば食塩水の公式を覚えていなくても問題が解けてしまいます。また、「なぜ面積図を使って解く事ができるのか」を理解していなくても単なる図形の面積の問題として問題を解けてしまいます。もし、食塩水の意味を理解しないまま面積図を使っていると、面積図では解けない濃度算に太刀打ちできなくなるので注意しましょう
本記事のまとめです
- 面積図は問題を早く解くために非常に有効な手段である
- 面積図は計算ミスをなくすために非常に有効な手段である
- 基本的な解き方、面積図でなぜ濃度算を解く事ができるのかを理解した上で面積図を使う事
食塩水の問題には様々なバリエーションがあります。いくつか紹介しますので興味のあるかたはこちらをどうぞ
また、参考ですが、てんびん図を使った濃度算の解き方はこちらに掲載しました
それでは、頑張っていきましょう!
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