kaneQの中学受験算数講座

図で考えれば中学受験算数なんて怖くない!

6-4. つるかめ算

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[Rev.0.04 2021/11/20]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

今回はつるかめ算を学びます

つるかめ算とは、つるとかめの合計頭数とその足の合計数からそれぞれの頭数を求める類の問題のことです

つるかめ算は非常に多くのバリエーションがあります。他の特殊算は図をつかって整理すれば解ける問題がほとんどです。しかしつるかめ算は整理の仕方を知らないと解けない問題が多いです。昔から中学受験の算数の中で重要な単元であり続けているのはそのためだと考えてます

しかし、基礎をしっかり身につけていれば解き方自体は難しくはありません。代表的なバリエーションをしっかり身につければ十分に対応できます

なお、つるかめ算は売買損益算やニューン算等の他の特殊算と組み合わせた問題も数多くみられます。理科でもつるかめ算を用いないと解けない問題が出題される事があります。ただ、他の特殊算と組み合わせたつるかめ算や理科で出題されるつるかめ算は基礎的な知識でとけるものがほとんどです。不意にこれらの問題に遭遇したとしても焦らないで下さい

 

今回のゴールは以下です
ゴール:つるかめ理論を理解する。ついでに面積図もつかえるようにする

 

本サイトは「算数は図で考える」を基本としており、本記事でも面積図を使ったつるかめ算の解き方を紹介します。ただ、面積図を使わない「基本的な解き方」も紹介します。つるかめ算は面積図を使わない「基本的な解き方」をまず理解してください。面積図は、おまけくらいに考えてもらった方が良いかもしれません。面積図を使ってつるかめ算を解くためには、面積図を書く前に下準備をしたり、面積図を加工しないと解けない場合が多いです。これらの方法が思い浮かばないと試験中にパニックになるかもしれません。一方で、「基本的な解き方」はほぼ全ての問題に対して、問題をそのまま整理すれば解けます。面積図をうまく書けない場合を想定し、「基本的な解き方」もできるようにして下さい

それでは問題です(以下で、つるは足が2本、カメは足が4本、かぶとむしは足が6本あるものとします)


【問1】
ツルとカメがあわせて9匹います。その足の数の合計は26本です。このときツルとカメはそれぞれ何匹ですか?


【問2】
1個100円のみかんと1個120円のリンゴと、1個130円のなしを合わせて20個買ったら、代金の合計が2300円でした。リンゴとなしを同じ数だけ買った時、みかん、リンゴ、なしをそれぞれ何個買ったでしか?


【問3】
ツルとカメとかぶとむしがあわせて35匹います。足の数の合計は152本です。ツルがカメより2匹少ない時、かぶと虫は何匹ですか?

 

【問4】
ツルとカメとかぶとむしが合わせて35匹います。足の数の合計は146本です。カメはツルの2倍います。カメは何匹ですか?

 

【問5】
A君とB君の2人がじゃんけんをして、勝った方には3点を与え、負けた方からは2点を引き、あいこの場合はそれぞれに1点ずつを与えます。はじめの2人の持ち点はそれぞれ20点とします。
じゃんけんを15回したところ、2人の持ち点の合計は60点でした。このとき、あいこは何回でしたか?


それでは問1からやっていきましょう

 

【問1】
ツルとカメがあわせて9匹います。その足の数の合計は26本です。このときツルとカメはそれぞれ何匹ですか?

(解1)つるかめ理論を使う

基本的なつるかめ算の問題です。まずは表を使って力技(ちからわざ)で解いてみます

「ツルとカメがあわせて9匹いる」から全てツルだった場合の足の合計数を表にすると以下のようになります

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9匹全てツルだったら、ツルの足は9×2で18本となります。カメは0匹なのでカメの足は0本です。ツルとカメの足の合計は18+0=18本となります

次に、ツルを1匹へらし8匹とし、カメを1匹ふやし1匹とすると足の数はどうなるでしょう。表にかきてしてみましょう

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ツルが8匹だったら、ツルの足は8×2で16本となります。カメは1匹なのでカメの足は4×1で4本です。ツルとカメの足の合計は16+4=20本となります

おなじようにしてツルを1匹ずつへらし、カメを1匹ずつふやして表を書き進めていきます

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すると、ツルが5匹、カメが4匹のときに合計の足の数の合計が26本になりました。足の数の合計が26本の時のツルとカメの数を求める問題だったので、答えは「ツルが5匹、カメが4匹」となりました

 

上のやり方は求める足の合計になるまでひたすら表を書いていく事になるので効率的な解き方ではありません。ではどうすれば良いでしょうか?

上の表をよくながめて下さい。何か気付く事が無いでしょうか?

「ツルの数が1へるごとに合計の足の数が2本増えている」または「カメの数が1ふえるごとに合計の足の数が2本増えている」という事が分かります。この事を元に効率的に答えを導いてみましょう

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表に書く情報は上の図の内容だけで良いです。全てがツルだった場合とツルを1匹へらした場合の内容をしっかり表に書き込みます。これより「ツルの数が1へるごとに合計の足の数が2本増えている」が明確になります。また、9匹全てがツルだった場合の足の合計は18本です。ツルとカメの足が26本になるには26本と18本の差である「8本を増やすにはツルが何匹へれば良いのか?」を考えます。これは簡単で

8÷2=4

でツルが4匹へれば良い事がわかります。全てがツルの場合は9匹なので、4匹へらすと

9-4=5

となり、ツルは5匹と求める事ができます。カメは

9-5=4

より、4匹となります

 

このように、「ツルとカメの合計の頭数とその足の合計数が決まっているときに、それぞれの頭数を1変えた場合の足の合計数の変化量からツルとカメのそれぞれの頭数が明らかになる」という考え方を私はつるかめ理論と呼んでいます。つるかめ理論は初めは表を使って解くのが良いですが、慣れてくると暗算で解けるようになります

 

(解2)面積図をつかう

次に面積図を用いた解き方を紹介します。この図が何を表しているかわかりますか?

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そうです。ツルとカメの足の数を表した面積図です。もう少し情報を書き込んでみましょう

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こうするとよくわかると思います。赤枠でかこったところはそれぞれツルの足の数、カメの足の数を表しています。青枠でかこったところはツルとカメの足の数の合計、この問題では26本となります。あとは単なる図形の問題となります

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上のように赤枠でかこった部分と青枠でかこった部分に分けてみます。ツルとカメがそれぞれ何匹いるかわかりませんが合計で9匹なので赤枠でかっこった部分の面積(足の数)は

2×9=18本

となります。足の数の合計は26本なので青枠で囲った部分の面積(足の数)は

26-18=8本

となります。

図に分かる事と分からない事を書き足してみましょう。青枠の縦の幅は

4-2=2本

という事が分かります。横の幅はわからないので☐と置いてみます。すると図は以下のようになります

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青枠で囲った部分の面積(足の数)に注目すると

2×☐=8

なので、

☐=4匹

となります。☐はカメの匹数なのでカメは4匹となります。ツルとカメの合計は9匹なのでツルは

9-4=5

より5匹と求まります

 

【問2】
1個100円のみかんと1個120円のリンゴと、1個130円のなしを合わせて20個買ったら、代金の合計が2300円でした。リンゴとなしを同じ数だけ買った時、みかん、リンゴ、なしをそれぞれ何個買ったでしか?

 

(解1)つるかめ理論を使う

まずは表を使った解き方です。今回は3つの品物について考える必要がありますが難しく考える必要はありません。そのまま3つの品物について表に整理すれば良いだけです

まず20個全てみかんだった場合の表を書きましょう

次にみかんが19個の場合を考えたいところですが、、、問題文に「リンゴとなしを同じ数だけ買った時」の条件があるのでみかんが19個というのはありえません。みかんは18個、16個と2個ずつ減らしていく事に注意しましょう

表は以下のようになります

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問題で与えられている代金の合計は2300円です。20個全てみかんの場合の代金の合計は2000円なので、合計の代金の差は

2300-2000=300円

となります。一方で、みかんを2個へらした場合つまりリンゴを1個ふやした場合の代金の合計は2050円なので、リンゴが0個の場合と比べると

2050-2000=50円

となり合計の代金が50円増える事がわかります。合計の代金を300円増やすには

300÷50=6

となり、リンゴを6個にすれば良い事が分かります。リンゴとなしは同じ数なのでなしも6個となります。全部で20個なのでみかんは

20-6-6=8

より8個となります。答えは「みかんは8個、リンゴは6個、なしは6個」です

 

次に面積図を用いた解き方を紹介します

今回のように3つの品物を扱う場合3段つるかめといってこのままでは面積図では解けません。このような場合は基本的なつるかめ算のように2段つるかめに持ち込む必要があります。これは知らなければ解けないテクニックとなります。「図で考えればいつのまにか解ける」という私のポリシーに反しますが、面積図を使いたい人はぜひ覚えて下さい

 

(解2-1)面積図をつかう(足切りをして2段つるかめにする)

1つ目の方法は「足切をして2段つるかめに持ち込む」です。まず問題文をそのまま図にしてみます。「リンゴとなしは同じ数」という条件ですが、具体的な数が分からないので①と置いてみましょう

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このままだと解けません。どうすれば良いでしょうか?

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赤枠でかこった部分を図から除いてみるとどうなるでしょうか

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赤枠でかこった部分をずから除くと上図の青枠でかこった部分が残ります。少し整理すると以下のようになります

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残った図から

㊿=300円

という事がわかります。つまり

①=6

となり、リンゴとなしはそれぞれ6個ともとまりました。全部で20個なのでみかんは

20-6-6=8

より8個となります。答えは「みかんは8個、リンゴは6個、なしは6個」です

 

(解2-2)面積図をつかう(平均を使い2段つるかめにする)

2つ目の方法は「平均を使い2段つるかめに持ち込む」です。まず問題文をそのまま図にしてみます。「リンゴとなしは同じ数」という条件ですが、具体的な数が分からないので①と置いてみましょう

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このままだと解けません。どうすれば良いでしょうか?リンゴとなしの数が同じなのでこれらを平均をとってまとめる事を考えます

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リンゴが120円、なしが130円なので平均は125円です。これでいったん図を整理すると以下のようになります

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ここで図を以下のように赤枠でかこった部分と青枠でかこった部分に分けて考えます

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すると、青枠でかこった部分は縦の幅が25円で横の幅が②なので面積は㊿となります。この代金は

2300-2000=300円

なので

㊿=300円

となり

①=6個

となり、リンゴとなしはそれぞれ6個と求まりました。全部で20個なのでみかんは

20-6-6=8

より8個となります。答えは「みかんは8個、リンゴは6個、なしは6個」です

 

【問3】
ツルとカメとかぶとむしがあわせて35匹います。足の数の合計は152本です。ツルがカメより2匹少ない時、かぶと虫は何匹ですか?

 

(解1)つるかめ理論を使う

まずは表を使った解き方です。この問題も3つの対象について考える必要がありますが難しく考える必要はありません。そのまま3つの対象について表に整理すれば良いだけです

「ツルがカメより2少ない」とあるので「ツルが0匹、カメが2匹」の場合を考えて、次にそれぞれ1匹足した「ツルが1匹、カメが3匹」を考えて整理するのが良さそうです。表は以下のようになります

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問題で与えられている足の数の合計は152本です。かぶとむしが33匹の場合の足の数の合計は206本なので、足の数の合計の差は

206-152=54本

となります。一方で、かぶとむしを2匹へらした場合の足の数の合計は200本なので、かぶとむしが33匹の場合と比べると

206-200=6本

となり足の数の合計が6本へる事がわかります。足の数の合計を54本へらすには

54÷6=9

となり、かぶとむしを9回減らせばよい事がわかります。1回につきかぶとむしは2匹へらすので、

2×9=18

となり、かぶとむしは18匹へらせば良い事がわかります。つまり

33-18=15

となり、かぶとむしは15匹と求まります

 

次に面積図を用いた解き方を紹介します。今回も2段つるかめに持ち込んで解いていきます

 

(解2-1)面積図をつかう(図をよく見て2段つるかめを発見する)

問2では「足切をして2段つるかめに持ち込む」を使いましたが問3は同じようにできるでしょうか。ちょっと考えてみて下さい。おそらく同じような解き方はできないと思います

ここでは、「図をよく見て2段つるかめを発見する」を紹介します。まず問題文をそのまま図にしてみます。「ツルがカメより2少ない」という条件ですが、具体的な数が分からないのでカメを①匹、ツルを①-2匹と置いてみましょう

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この状態だとよくわかりません。ツルの①ー2匹をシンプルにしたいです。どうすればよいでしょうか

簡単です。ツルを2匹足してあげれば良いのです。ツルを2匹足すと合計は

35+2=37

で37匹になります。足の数の合計は

152+2×2=156

で156本になります。図を書き換えると以下のようになります

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だいぶすっきりしました。ここからどのようにして2段つるかめに持ち込めるでしょうか。慣れると簡単です。図をよく見て下さい

以下のように赤枠でかこった部分に気づけるでしょうか。青枠でかこった部分からもとの3段つるかめの部分を引くと赤枠でかこった部分を切り出す事ができ、2段つるかめに持ち込むことができるのです

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図において、青枠でかこった部分の足の数の合計は

37×6=222本

となります。またもとの3段つるかめの部分の足の数の合計は156本でした。よって、赤枠でかこった部分の足の数の合計は

222-156=66本

となります。一方で、赤枠でかこった部分の面積は

④+②=⑥

と表す事ができますね。つまり

⑥=66

となり

①=11

が導けます。①は図におけるツルとカメそれぞれの頭数です。よってかぶとむしは全体の頭数である37匹からツルとカメの頭数を引けばよいので

37-11-11=15匹

となりかぶとむしは15匹と求まります

 

(解2-2)面積図をつかう(平均を使い2段つるかめにする)

問2と同様に「平均を使い2段つるかめに持ち込む」も使う事ができます。まず問題文をそのまま図にしてみます。「ツルがカメより2少ない」という条件ですが、具体的な数が分からないのでカメを①匹、ツルを①-2匹と置いてみましょう

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この状態だとよくわかりません。ツルの①ー2匹をシンプルにしたいです。どうすればよいでしょうか

簡単です。ツルを2匹足してあげれば良いのです。ツルを2匹足すと合計は

35+2=37

で37匹になります。足の数の合計は

152+2×2=156

で156本になります。図を書き換えると以下のようになります

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ここまでは、(解2-1)と同じです

このままだと解けません。どうすれば良いでしょうか?ツルとカメの数が同じなのでこれらを平均をとってまとめる事を考えます

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ツルの足は2本、カメの足は4本で頭数は①で同じなので平均は3本です。これでいったん図を整理すると以下のようになります

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ここで図を以下のように赤枠でかこった部分と青枠でかこった部分に分けて考えます

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すると、赤枠でかこった部分は縦の幅が3本で横の幅が37匹なので足の数の合計は

3×37=111

となり111本です。青枠で囲った部分は全体の156本から赤枠で囲った部分を引けばよいので

156-111=45

となり45本です。青枠で囲った部分の縦の幅は3本で横の幅を☐匹とすると

3×☐=45

なので

☐=15

となり、かぶとむしは15匹と求まります

 

【問4】
ツルとカメとかぶとむしが合わせて35匹います。足の数の合計は146本です。カメはツルの2倍います。カメは何匹ですか?

 

(解1)つるかめ理論を使う

まずは表を使った解き方です。この問題も3つの対象について考える必要がありますが難しく考える必要はありません。そのまま3つの対象について表に整理すれば良いだけです

「カメはツルの2倍います」とあるので「ツルが1匹、カメが2匹」の場合を考えて、次に「ツルが2匹、カメが4匹」とツルとカメを増やして整理するのが良さそうです。表は以下のようになります

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問題で与えられている足の数の合計は146本です。カメが2匹の場合の足の数の合計は202本なので、足の数の合計の差は

202-146=56本

となります。一方で、カメを2匹ふやした場合の足の数の合計は194本なので、カメが2匹の場合と比べると

202-194=8本

となり足の数の合計が6本へる事がわかります。足の数の合計を56本へらすには

56÷8=7

となり、カメを7回増やせばよい事がわかります。1回につきカメは2匹増えるので、

2×7=14

となり、カメは14匹増やせば良い事がわかります。つまり

2+14=16

となり、カメは16匹と求まります

 

(解2-1)面積図をつかう(図をよく見て2段つるかめを発見する)

「図をよく見て2段つるかめを発見する」で解いてみましょう。まず問題文をそのまま図にしてみます。「カメはツルの2倍います」という条件ですが、具体的な数が分からないのでツルを①匹、カメを②匹と置いてみましょう

 

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ここからどのようにして2段つるかめに持ち込めるでしょうか。図をよく見て下さい

以下のように赤枠でかこった部分に気づけるでしょうか。青枠でかこった部分からもとの3段つるかめの部分を引くと赤枠でかこった部分を切り出す事ができ、2段つるかめに持ち込むことができるのです

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図において、青枠でかこった部分の足の数の合計は

35×6=210本

となります。またもとの3段つるかめの部分の足の数の合計は146本でした。よって、赤枠でかこった部分の足の数の合計は

210-146=64本

となります。一方で、赤枠でかこった部分の面積は

④+④=⑧

と表す事ができますね。つまり

⑧=64

となり

①=8

となります。求めたいのはカメの数です。カメの数は②なので

②=①×2=8×2=16

となりカメは16匹と求まります

 

(解2-2)面積図をつかう(平均を使い2段つるかめにする)

平均を使って2段つるかめに持ち込む方法は図とメモだけ示しておきます。自力で解いてください

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【問5】
A君とB君の2人がじゃんけんをして、勝った方には3点を与え、負けた方からは2点を引き、あいこの場合はそれぞれに1点ずつを与えます。はじめの2人の持ち点はそれぞれ20点とします。
じゃんけんを15回したところ、2人の持ち点の合計は60点でした。このとき、あいこは何回でしたか?

 

問5は「基本的な解き方」でまず解いてみましょう。少し複雑な表になりますがひねりはないです。面積図を使う場合には、問題の本質をとらえた面積図が書ければ瞬殺です

 

まず問題を整理します。はじめの2人の持ち点はそれぞれ20点なので合計で40点です。じゃんけんを15回して2人の持ち点の合計が60点になるという事は、合計が20点増えれば良いという事になります

 

(解1)つるかめ理論を使う

表を使った解き方です。といっても どのような表にして良いのかよくわかりません。上に書きましたが「合計で20点増える」という事は意識するようにしましょう。その上で、全てのパターンで合計点がどう変わるのかをまず見てみます。「A君が勝った場合」「B君が勝った場合」「引分けの場合」の3パターンです

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はじめは、A君が20点、B君が20点持っているので合計40点ですね

  • 「A君が勝った場合」
    A君は3点増えるので23点になります。B君は2点減るので18点になります。合計は41点となります
  • 「B君が勝った場合」
    A君は2点減るので18点になります。B君は3点増えるので23点になります。合計は41点となります

A君が勝ってもB君が勝ってもどちらの場合も合計は41点で同じです。つまり勝敗が付く場合はどちらが勝っても合計は1点増える事になります

  • 「引分けの場合」
    A君は1点増えるので21点になります。B君は1点増えるので21点になります。合計は42点となります

引き分けの場合には合計は2点増える事がわかりました

 

ここからが本番です。上で整理した「引き分け」と「勝敗がつく」で整理するのが良さそうです。15回全て引き分けた場合、14回引き分けた場合と順に考えていくと表は以下のようになります

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引き分けが15回の場合、15回じゃんけんをすると合計は30点増えます。引き分けが14回の場合は20点増えます

では、合計が20点増えるためには引き分けは何回であればよいでしょうか?

30点と20点の差は10点で、引き分けが1回減ると点数の合計は1点減るので10点減るためには引き分けの回数が10回減ればい事になります。つまり、引き分けの回数は

15-10=5

となり5回と求める事ができました

 

この問題は初めて見て解くのは非常に難しいと思いますが、順に整理するように心がけて下さい。ポイントは以下です

  • 勝敗でポイントを加算する類の問題は「勝敗がつく場合」「引き分けの場合」の2種類で分類する
  • どちらが勝とうが「勝敗がつく場合」の点数の変化は同じ

 

(解2)面積図をつかう

面積図を使う場合も、いったんは解1と同じように整理し以下を把握しておきます

  • 15回のじゃんけんで合計は20点増える
  • 勝敗がつく場合はどちらが勝っても合計は1点増える
  • 引き分けの場合には合計は2点増える

これを面積図であらわすと以下のようになります

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あとはわかりますね?

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15回全て勝敗がついた場合は

1×15=15

で合計は15点増えます(図の赤枠)。15回じゃんけんして20点増えるので図の青枠部分の5点足りていません。この5点を増やすためには引き分けは☐回とすると

☐=5÷1=5

となり引き分けは5回と求める事ができました

 

それでは頑張りましょう

 

参考:目次

6-3. ニュートン算(面積図)

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[Rev.0.02 2021/5/3]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

本記事では、「ニュートン算」を紹介します

 

今回のゴールは以下です

ゴール:「ニュートン算」を面積図で解けるようにする

(「ニュートン算」を線分図で解く方法はこちらをご参照ください)

 

必要な知識:面積図の基本

 

ニュートン算は、仕事算の一種です。典型的な仕事算と違うのは、仕事を処理している一方で一定の割合で仕事が増えていくという点です
中学受験算数の特殊算の中でニュートン算は難易度が高いと言われていますが、「算数は図で考える」を身につければ非常に簡単に解く事ができます。恐れずに頑張りましょう


本記事では以下6つの問題を紹介します。問1から問4は基本的な問題なので実際の入試には出ないと思います。ですが、面積図に慣れるためにしっかりと理解してください。問7は難易度があがりますが、中学受験で非常に多く出題される典型的なレベルなので確実に解けるようにしておきましょう


【問1】基本:水そうが空になるまでの時間が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、何分後に水そうは空になるでしょう

 

【問2】基本:一定時間でこなす仕事量(ポンプがくみ出す水の量)が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分何Lかの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
ポンプは毎分何Lの水をくみ出すでしょう

 

【問3】基本:一定時間で増える仕事量(じゃ口から入る水の量)が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
水道のじゃ口は毎分何Lの水を入れるでしょう

 

【問4】基本:元の仕事量(水そうに入っている水の量)が分からない
水そうに水が何Lか入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
はじめに水そうに入っていた水は何Lでしょう

 

【問5】標準
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分何Lかの水をくみ出すと、30分後に水そうはからになります
ポンプ2台でくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

 

【問6】
太朗君は今いくらかのお金を持っています。毎月決まった額のおこづかいをもらいます。1か月に1000円ずつ使うと3か月でなくなってしまいます。しかし、1か月に800円ずつ使うと5か月でなくなるといいます。太朗君が今持っているお金はいくらでしょうか。

 

【問7】標準
何Lかの水が入っている水そうと6台の同じポンプがあります。今、水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら、4台のポンプで水をくみ出すと、24分後に水そうは空になります。6台のポンプで水をくみ出すと、8分後に水そうは空になります。
5台のポンプでくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

 

それでは順番に解いてみます

今までも取り組んできましたが、わからない量は①等と置き換えて面積図を書いていく事がポイントになります

 

【問1】基本:水そうが空になるまでの時間が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、何分後に水そうは空になるでしょう

まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま面積図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210502073454p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」を図に書き足します。ここで、「何分後に水そうは空になる」とありますが、何分かわからないので、水そうが空になるまでの時間を①分と置いてみます

「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」は「水道のじゃ口から毎分4Lの水を①分間入れる」に置き換えます

f:id:kaneQ:20210502073524p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と①分間に水道のじゃ口から入れた水の量を面積図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分12Lの水を①分間くみ出した水の量」となります。図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210502073612p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210502073654p:plain

もともと水そうに入っていた240Lは⑧Lに相当する事が分かりました。したがって

①=30

となります。①は水そうが空になるまでの時間だったので答えは30分と求める事ができました

 

【問2】基本:一定時間でこなす仕事量(ポンプがくみ出す水の量)が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分何Lかの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
ポンプは毎分何Lの水をくみ出すでしょう

まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま面積図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210502073454p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」「30分」を図に書き足します

f:id:kaneQ:20210502073954p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と30分間に水道のじゃ口から入れた水の量を面積図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分何Lかの水を30分間くみ出した水の量」となります。1台のポンプが毎分くみ出す水の量が分からないので①と置いて、図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210502074056p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210502074128p:plain

ポンプでくみ出す水の量㉚は360Lである事が分かりました。したがって

①=12

となります。①は1台のポンプが毎分くみ出す水の量だったので答えは12Lと求める事ができました

 

【問3】基本:一定時間で増える仕事量(じゃ口から入る水の量)が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
水道のじゃ口は毎分何Lの水を入れるでしょう

 まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま面積図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210502073454p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分何Lかの水を30分間入れる」を図に書き足します。水道のじゃ口から毎分入る水の量が分からないのでと置いてみます

f:id:kaneQ:20210502074410p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と30分間に水道のじゃ口から入れた水の量を面積図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分12Lの水を30分間くみ出した水の量」となります。図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210502074515p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210502074725p:plain

水道のじゃ口から入る水の量㉚Lは120Lである事が分かりました。したがって

①=4

となります。①は水道のじゃ口から毎分入る水の量だったので答えは4Lと求める事ができました

 

【問4】基本:元の仕事量(水そうに入っている水の量)が分からない
水そうに水が何Lか入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
はじめに水そうに入っていた水は何Lでしょう

  まず、「水そうに水が何Lか入っています」を面積図であらわしてみます。水そうに入っている水の量が分からないので①と置いておきます

f:id:kaneQ:20210502083702p:plain

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を30分間入れる」を図に書き足します

f:id:kaneQ:20210502084035p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と30分間に水道のじゃ口から入れた水の量を面積図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分12Lの水を30分間くみ出した水の量」となります。図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210502084142p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210502084221p:plain

水そうに入っている水の量は①でした。図より①は240Lと求める事ができました

 

【問5】標準
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分何Lかの水をくみ出すと、30分後に水そうはからになります
ポンプ2台でくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

この問題、解けるでしょうか?

「標準」としていますが、難易度は低いです。ただ、このままだとどのように解いて良いか迷う人も多いと思います。そこで、以下のように問題をばらしてみましょう

(1)1台のポンプが毎分くみ出す水の量は何Lでしょう

(2) ポンプ2台でくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

どうでしょうか。何か気付いたでしょうか。そうです(1)は前述の問2と全く同じです。まず、問2の考え方を使って1台のポンプがくみ出す水の量を求め、ポンプが2台だったらどうなるかを考えていきます

それでは順に解いてみます

 

(1)1台のポンプが毎分くみ出す水の量は何Lでしょう(問2と同じです)

 

 まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま面積図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210502073454p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」「30分」を図に書き足します

f:id:kaneQ:20210502073954p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と30分間に水道のじゃ口から入れた水の量を面積図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分何Lかの水を30分間くみ出した水の量」となります。1台のポンプが毎分くみ出す水の量が分からないので①と置いて、図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210502074056p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210502074128p:plain

ポンプでくみ出す水の量㉚は360Lである事が分かりました。したがって

①=12

となります。①は1台のポンプが毎分くみ出す水の量だったので答えは12Lと求める事ができました

 

(2) ポンプ2台でくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

(1)で書いた図とは別に図を書きましょう。まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま面積図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210502073454p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」を図に書き足します。ここで、「何分後に水そうは空になる」とありますが、何分かわからないの、水そうが空になるまでの時間を①分と置いてみます

「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」は「水道のじゃ口から毎分4Lの水を①分間入れる」に置き換えます

f:id:kaneQ:20210502084757p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と①分間に水道のじゃ口から入れた水の量を面積図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「2台のポンプで水を①分間くみ出した水の量」となります。1台のポンプが毎分くみ出す水の量は(1)より12Lと求めたので図は以下のようになります

f:id:kaneQ:20210502084831p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210502085059p:plain

初めに水そうに入っていた水の量は240Lでこれが⑳に相当するので

①=12

となります。①は水そうが空になるまでの時間だったので12分と求まりました

 

【問6】
太朗君は今いくらかのお金を持っています。毎月決まった額のおこづかいをもらいます。1か月に1000円ずつ使うと3か月でなくなってしまいます。しかし、1か月に800円ずつ使うと5か月でなくなるといいます。太朗君が今持っているお金はいくらでしょうか。

この問題は、「事例紹介」で詳しく説明してますのでそちらをご参照くださいませ
   

【問7】標準
何Lかの水が入っている水そうと6台の同じポンプがあります。今、水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら、4台のポンプで水をくみ出すと、24分後に水そうは空になります。6台のポンプで水をくみ出すと、8分後に水そうは空になります。
5台のポンプでくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

この問題は、初めに水そうに入っている水の量、ポンプが毎分くみ出す水の量、水道のじゃ口から毎分入る水の量の全てがわかりません。そのかわり、4台のポンプを使用した場合に水そうが空になる時間、6台のポンプを使用した場合に水そうが空になる時間が与えられています。これらを整理する事で5台のポンプを使用した場合に水そうが空になる時間を求める事ができるのです。これも1つ1つ整理して図を書いていく事で解く事ができます。説明が長くなりますが、じっくりと理解して自分のものにしてください

 

まず最初に最終図面を紹介しておきます。結構複雑な図になってますがビビらないで下さいね

 f:id:kaneQ:20210502095100p:plain

f:id:kaneQ:20210502095341p:plain

複雑な図ですが、1つ1つの図は難しくありません。1つ1つ図を書いていきましょう

 

「何Lかの水が入っている水そう」「水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら」「4台のポンプで水をくみ出すと、24分後に水そうは空になります」を図にしたいと思います。ここで、初めに水そうに入っている水の量はわからないので☐としておきます。また、水道のじゃ口から毎分入る水の量を

f:id:kaneQ:20210501082202p:plain

とします。また、1台のポンプが毎分くみ出す水の量を

f:id:kaneQ:20210501082455p:plain

とします。すると図は以下のようになります

f:id:kaneQ:20210502100104p:plain

「何Lかの水が入っている水そう」「水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら」「6台のポンプで水をくみ出すと、8分後に水そうは空になります」。先ほどの図の下に別の図として書きたしてみましょう

f:id:kaneQ:20210502100152p:plain

何か気付く事があるでしょうか

f:id:kaneQ:20210502101107p:plain

 左の図と右の図で赤枠で囲った部分の面積の差は、青枠で囲った面積の差だという事に気づけたでしょうか?これより、

f:id:kaneQ:20210502101359p:plain

という関係が見えてきました!これより、

☐=①×24=㉔L

も導けると思います

 

ここまで来てようやく問題を解く準備ができました。「5台のポンプでくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう」を考えてみます。ここで、水そうが空になるまでの時間が分からないので

f:id:kaneQ:20210501085633p:plain

と置いてみます。図は以下のようになります

f:id:kaneQ:20210502101832p:plain

上の図からわかるように

f:id:kaneQ:20210501090655p:plain

を導く事ができました

f:id:kaneQ:20210501085633p:plain

は5台のポンプを使た時の水そうが空になるまでの時間でしたので答えは12分と求まりました

今まで書いた図をならべると以下のようになります

f:id:kaneQ:20210502101107p:plain

f:id:kaneQ:20210502101832p:plain

この図を一人でもかけるように何度も繰り返し練習してください

 

 

以上でニュートン算の標準レベルまでの説明を終わります。標準レベルの問題が完全に理解できると、応用問題も解けるようになります。応用問題としては、つるかめ算と組み合わせたり、初めの条件が変わった場合どうなるかを考えさせられる問題がありますが難問はありません。しつこいですが、本記事の問7を確実に解けるよう何度も練習してみて下さい

 

それでは頑張りましょう!

 

参考:目次

 

4-5. ニュートン算(線分図)

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[Rev.0.03 2021/5/3]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

本記事では、「ニュートン算」を紹介します

 

今回のゴールは以下です

ゴール:「ニュートン算」を線分図で解けるようにする

(「ニュートン算」を面積図で解く方法はこちらをご参照ください)

 

必要な知識:線分図の基本

 

ニュートン算は、仕事算の一種です。典型的な仕事算と違うのは、仕事を処理している一方で一定の割合で仕事が増えていくという点です
中学受験算数の特殊算の中でニュートン算は難易度が高いと言われていますが、「算数は図で考える」を身につければ非常に簡単に解く事ができます。恐れずに頑張りましょう


本記事では以下6つの問題を紹介します。問1から問4は基本的な問題なので実際の入試には出ないと思います。ですが、線分図に慣れるためにしっかりと理解してください。問7は難易度があがりますが、中学受験で非常に多く出題される典型的なレベルなので確実に解けるようにしておきましょう


【問1】基本:水そうが空になるまでの時間が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、何分後に水そうは空になるでしょう

 

【問2】基本:一定時間でこなす仕事量(ポンプがくみ出す水の量)が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分何Lかの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
ポンプは毎分何Lの水をくみ出すでしょう

 

【問3】基本:一定時間で増える仕事量(じゃ口から入る水の量)が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
水道のじゃ口は毎分何Lの水を入れるでしょう

 

【問4】基本:元の仕事量(水そうに入っている水の量)が分からない
水そうに水が何Lか入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
はじめに水そうに入っていた水は何Lでしょう

 

【問5】標準
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分何Lかの水をくみ出すと、30分後に水そうはからになります
ポンプ2台でくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

 

【問6】標準
太朗君は今いくらかのお金を持っています。毎月決まった額のおこづかいをもらいます。1か月に1000円ずつ使うと3か月でなくなってしまいます。しかし、1か月に800円ずつ使うと5か月でなくなるといいます。太朗君が今持っているお金はいくらでしょうか。
 

【問7】標準
何Lかの水が入っている水そうと6台の同じポンプがあります。今、水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら、4台のポンプで水をくみ出すと、24分後に水そうは空になります。6台のポンプで水をくみ出すと、8分後に水そうは空になります。
5台のポンプでくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

 

それでは順番に解いてみます

今までも取り組んできましたが、わからない量は①等と置き換えて線分図を書いていく事がポイントになります

 

【問1】基本:水そうが空になるまでの時間が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、何分後に水そうは空になるでしょう

まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま線分図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210430105150p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」を図に書き足します。ここで、「何分後に水そうは空になる」とありますが、何分かわからないので、水そうが空になるまでの時間を①分と置いてみます

「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」は「水道のじゃ口から毎分4Lの水を①分間入れる」に置き換えます

f:id:kaneQ:20210430105705p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と①分間に水道のじゃ口から入れた水の量を線分図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分12Lの水を①分間くみ出した水の量」となります。図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210430110042p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210430110218p:plain

もともと水そうに入っていた240Lは⑧Lに相当する事が分かりました。したがって

①=30

となります。①は水そうが空になるまでの時間だったので答えは30分と求める事ができました

 

【問2】基本:一定時間でこなす仕事量(ポンプがくみ出す水の量)が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分何Lかの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
ポンプは毎分何Lの水をくみ出すでしょう

まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま線分図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210430105150p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」「30分」を図に書き足します

f:id:kaneQ:20210430112146p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と30分間に水道のじゃ口から入れた水の量を線分図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分何Lかの水を30分間くみ出した水の量」となります。1台のポンプが毎分くみ出す水の量が分からないので①と置いて、図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210430112351p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210430112422p:plain

ポンプでくみ出す水の量㉚は360Lである事が分かりました。したがって

①=12

となります。①は1台のポンプが毎分くみ出す水の量だったので答えは12Lと求める事ができました

 

【問3】基本:一定時間で増える仕事量(じゃ口から入る水の量)が分からない
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
水道のじゃ口は毎分何Lの水を入れるでしょう

 まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま線分図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210430105150p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分何Lかの水を30分間入れる」を図に書き足します。水道のじゃ口から毎分入る水の量が分からないのでと置いてみます

f:id:kaneQ:20210430114200p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と30分間に水道のじゃ口から入れた水の量を線分図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分12Lの水を30分間くみ出した水の量」となります。図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210430114334p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210430114405p:plain

水道のじゃ口から入る水の量㉚Lは120Lである事が分かりました。したがって

①=4

となります。①は水道のじゃ口から毎分入る水の量だったので答えは4Lと求める事ができました

 

【問4】基本:元の仕事量(水そうに入っている水の量)が分からない
水そうに水が何Lか入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分12Lの水をくみ出すと、30分後に水そうは空になります
はじめに水そうに入っていた水は何Lでしょう

  まず、「水そうに水が何Lか入っています」を線分図であらわしてみます。水そうに入っている水の量が分からないので①と置いておきます

f:id:kaneQ:20210430120238p:plain

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を30分間入れる」を図に書き足します

f:id:kaneQ:20210430120347p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と30分間に水道のじゃ口から入れた水の量を線分図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分12Lの水を30分間くみ出した水の量」となります。図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210430120527p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210430120555p:plain

水そうに入っている水の量は①でした。図より①は240Lと求める事ができました

 

【問5】標準
水そうに水が240L入っています。今、水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れながら、1台のポンプで毎分何Lかの水をくみ出すと、30分後に水そうはからになります
ポンプ2台でくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

この問題、解けるでしょうか?

「標準」としていますが、難易度は低いです。ただ、このままだとどのように解いて良いか迷う人も多いと思います。そこで、以下のように問題をばらしてみましょう

(1)1台のポンプが毎分くみ出す水の量は何Lでしょう

(2) ポンプ2台でくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

どうでしょうか。何か気付いたでしょうか。そうです(1)は前述の問2と全く同じです。まず、問2の考え方を使って1台のポンプがくみ出す水の量を求め、ポンプが2台だったらどうなるかを考えていきます

それでは順に解いてみます

 

(1)1台のポンプが毎分くみ出す水の量は何Lでしょう(問2と同じです)

まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま線分図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210430105150p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」「30分」を図に書き足します

f:id:kaneQ:20210430112146p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と30分間に水道のじゃ口から入れた水の量を線分図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「1台のポンプで毎分何Lかの水を30分間くみ出した水の量」となります。1台のポンプが毎分くみ出す水の量が分からないので①と置いて、図に書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20210430112351p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210430112422p:plain

ポンプでくみ出す水の量㉚は360Lである事が分かりました。したがって

①=12

となります。①は1台のポンプが毎分くみ出す水の量だったので答えは12Lと求める事ができました

 

(2) ポンプ2台でくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

(1)で書いた図とは別に図を書きましょう。まず、「水そうに水が240L入っています」をそのまま線分図であらわしてみます

f:id:kaneQ:20210430105150p:plain

これは初めに入っていた水の量ですね

次に、「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」を図に書き足します。ここで、「何分後に水そうは空になる」とありますが、何分かわからないの、水そうが空になるまでの時間を①分と置いてみます

「水道のじゃ口から毎分4Lの水を入れる」は「水道のじゃ口から毎分4Lの水を①分間入れる」に置き換えます

f:id:kaneQ:20210430105705p:plain

このように、はじめに入っていた水の量と①分間に水道のじゃ口から入れた水の量を線分図であらわす事ができました。この量は何の量だと思いますか?

そうです「2台のポンプで水を①分間くみ出した水の量」となります。1台のポンプが毎分くみ出す水の量は(1)より12Lと求めたので図は以下のようになります

f:id:kaneQ:20210430123421p:plain

ここまで来たら解けたも同然です。少し整理します

f:id:kaneQ:20210430123459p:plain

初めに水そうに入っていた水の量は240Lでこれが⑳に相当するので

①=12

となります。①は水そうが空になるまでの時間だったので12分と求まりました

 

【問6】標準
太朗君は今いくらかのお金を持っています。毎月決まった額のおこづかいをもらいます。1か月に1000円ずつ使うと3か月でなくなってしまいます。しかし、1か月に800円ずつ使うと5か月でなくなるといいます。太朗君が今持っているお金はいくらでしょうか。

この問題は、「事例紹介」で詳しく説明してますのでそちらをご参照くださいませ
 

【問7】標準
何Lかの水が入っている水そうと6台の同じポンプがあります。今、水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら、4台のポンプで水をくみ出すと、24分後に水そうは空になります。6台のポンプで水をくみ出すと、8分後に水そうは空になります。
5台のポンプでくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう

この問題は、初めに水そうに入っている水の量、ポンプが毎分くみ出す水の量、水道のじゃ口から毎分入る水の量の全てがわかりません。そのかわり、4台のポンプを使用した場合に水そうが空になる時間、6台のポンプを使用した場合に水そうが空になる時間が与えられています。これらを整理する事で5台のポンプを使用した場合に水そうが空になる時間を求める事ができるのです。これも1つ1つ整理して図を書いていく事で解く事ができます。説明が長くなりますが、じっくりと理解して自分のものにしてください

 

まず最初に最終図面を紹介しておきます。結構複雑な図になってますがビビらないで下さいね

 f:id:kaneQ:20210501090216p:plain

複雑な図ですが、1つ1つの図は難しくありません。1つ1つ図を書いていきましょう

 

「何Lかの水が入っている水そう」「水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら」「4台のポンプで水をくみ出すと、24分後に水そうは空になります」を図にしたいと思います。ここで、初めに水そうに入っている水の量はわからないので☐としておきます。また、水道のじゃ口から毎分入る水の量を

f:id:kaneQ:20210501082202p:plain

とします。また、1台のポンプが毎分くみ出す水の量を

f:id:kaneQ:20210501082455p:plain

とします。すると図は以下のようになります

f:id:kaneQ:20210501082601p:plain

「何Lかの水が入っている水そう」「水道のじゃ口から毎分何Lかの水を入れながら」「6台のポンプで水をくみ出すと、8分後に水そうは空になります」。先ほどの図の下に別の図として書きたしてみましょう

f:id:kaneQ:20210501083505p:plain

この2本の線分図をよく見て下さい。気付いた事をどんどん書き足していきます。線分図の基本で説明しましたが、線分図ではそろえた方と逆側で差を考える事が基本でしたね。この問題も例外ではありません

f:id:kaneQ:20210501084055p:plain

 するとどうでしょう。

f:id:kaneQ:20210501082202p:plain

f:id:kaneQ:20210501082455p:plain

の関係が見えてきませんか?

f:id:kaneQ:20210501084605p:plain

そうですね

 f:id:kaneQ:20210501084703p:plain

という関係が見えてきました!これより、

f:id:kaneQ:20210501085006p:plain

も導けると思います。ここまで来ると☐Lも〇で表せますね。図は以下のようになります

f:id:kaneQ:20210501085331p:plain

ここまで来てようやく問題を解く準備ができました。「5台のポンプでくみ出すと、水そうは何分で空になるでしょう」を考えてみます。ここで、水そうが空になるまでの時間が分からないので

f:id:kaneQ:20210501085633p:plain

と置いてみます。図は以下のようになります

f:id:kaneQ:20210501090525p:plain

上の図からわかるように

f:id:kaneQ:20210501090655p:plain

を導く事ができました

f:id:kaneQ:20210501085633p:plain

は5台のポンプを使た時の水そうが空になるまでの時間でしたので答えは12分と求まりました

今まで書いた図をならべると以下のようになります

f:id:kaneQ:20210501090216p:plain

この図を一人でもかけるように何度も繰り返し練習してください

 

 

以上でニュートン算の標準レベルまでの説明を終わります。標準レベルの問題が完全に理解できると、応用問題も解けるようになります。応用問題としては、つるかめ算と組み合わせたり、初めの条件が変わった場合どうなるかを考えさせられる問題がありますが難問はありません。しつこいですが、本記事の問6を確実に解けるよう何度も練習してみて下さい

 

それでは頑張りましょう!

 

参考:目次

 

4-4. 売買損益算

f:id:kaneQ:20200524162833p:plain

 

こんにちは、kaneQです

 

「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

本記事では、「売買損益算」を紹介します

 

今回のゴールは以下です

ゴール:線分図を使用した比の活用法をマスターする

必要な知識:売買の仕組み、倍数計算、比の概念

 

売買損益算とは、品物を売買するときの利益や損失から原価、定価等を求める問題です
この売買損益算ですが、苦手とする人が意外と多いように思います。なぜだかわかるでしょうか?


売買損益算は、基本的な問題でもほぼ例外なく比や割合を駆使する事になります。よって、基本的な問題でも難易度が高めになるのです
売買損益算は、線分図を使って解くと考えてもらっても良いです。売買損益算をマスターすると線分図の理解がほぼ完成します
少し難しいなと感じる人も、本記事の内容を頑張って理解してみて下さい


まず、基本的な考え方のおさらいです


仕入れ値(原価)、見込みの利益、定価、利益、定価、売り値、値引きを図にするとこのようになります

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仕入れ値(原価):品物を仕入れるときの値段
利益:もうけの事。売った値段から仕入れ値を引いた金額
定価:品物を売る値段
売り値:品物を実際に売る値段。定価に対して値引きを考慮した金額

 

この図は1個当たりの金額を表現する場合に使われることが多いです

 

例:仕入れ値50円のリンゴを50円の利益を見込んで定価を決めました。このリンゴを10円値引きして売ると利益はいくらになりますか?

この例を図に書く事が出来ますか。売買損益算ではこのような問題文から図を書く事が必要になります

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ここでは2本の線分図で書きましたが、1本の線分図で書く事もできます。参考に紹介すると以下のようになります

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これらの図が理解できない場合は、自分のテキストで売買損益の仕組みを理解してください

 

次に、売り上げ高はこのような図で説明できます。売り上げ高は、多くの場合は合計の個数について表現します

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例:1個50円のリンゴを100個仕入れました。仕入れたリンゴのうち10個は腐っていたので捨てました。残りの90個のリンゴを全て売ったら売り上げ高は8100円でした。利益はいくらですか?

 

f:id:kaneQ:20200524170546p:plain

これらの図は意味を正しく理解し、問題文から正しい図が書けるようにしておきましょう

 

本記事では以下の問題を解いてみましょう
問8以外は全て「基本」と考えて下さい。前述のとおり、「基本」ではありますが難易度は高めです。でも、大丈夫です。本サイトの「算数は図で考える」をマスターすれば必ず解けるようになります!


【問1】(入門:値引き率から定価を求める)
あるプラモデルを定価の2割引きで売ったところ、売り値は1600円になりました。定価は何円ですか?

 

【問2】(入門:利益率から仕入れ値を求める)
あるプラモデルを売ると60円の利益がありました。この利益は仕入れ値の20%にあたります。仕入れ値はいくらですか?

 

【問3】(基本:利益率から仕入れ値を求める)
あるプラモデルを仕入れ値の3割の利益を見込んで定価をつけました。このプラモデルを定価の2割引きで売ると、利益は40円でした。このプラモデルの仕入れ値はいくらですか?

 

【問4】(入門:売り上げ高を求めてから定価を求める)
リンゴを70円で300個仕入れましたが、そのうちの25個は傷んでいたので売るのをやめました。傷んでいないものは全て売って、全体で1割の利益があるように定価をつけると、1個何円になるでしょう

 

【問5】(基本:値引き率と利益の差から定価を求める)
ある品物を定価の2割引きで売ると40円もうかり、2割5分引きで売ると20円もうかります。
(1)この品物の定価は何円ですか?
(2)この品物の仕入れ値は何円ですか?

 

【問6】(基本:割合だけで考える)
ある品物に仕入れ値の何割かの利益を見込んで定価をつけたところ、定価の2割引きで売っても、まだ仕入れ値の1割2分の利益がありました。定価を決める際、仕入れ値の何割の利益を見込んだでしょうか?

 

【問7】(基本:1個あたりの定価を①と置いて整理する)
仕入れ値が1個330円の品物を100個仕入れて、仕入れ値の何割か増しの定価をつけました。この品物を、10個を定価の3割引きで、30個を定価の2割引きで、残りを定価のままで全部売ったら3400円の利益になりました。定価はいくらですか?

 

【問8】(応用:つるかめ算を利用して解く)
なし500個を、仕入れ値の2割の利益を見込んで定価をつけて売りました。何個か売れ残ったので、残ったなしを5円引きで売ったら、全部売れて、利益は4000円になりました。これは初めに見込んだ利益の8割に相当します。

(1)なし1個の仕入れ値は何円ですか
(2)値引きして売ったなしは何個ですか?

 

【問9】(基本:とにかく整理する)
原価の2割5分の利益を見込んで定価をつけたある商品が、全部で100個あります。これらの商品を、3日間のお祭りの期間中に売る事にしました。
1日目:定価で30個売れました
2日目:1個につき定価から60円引いて50個売れました
3日目:残りの20個を定価の1割引きで売りに出したところ全て売れ利益は3日間であわせて19500円になりました。
(1)3日目の売値は原価の何倍ですか?
(2)原価はいくらですか?

 

それでは順番に解いてみましょう

 

【問1】(入門:値引き率から定価を求める)
あるプラモデルを定価の2割引きで売ったところ、売り値は1600円になりました。定価は何円ですか?

いつものとおり、問題文をそのまま図に書いていきます

「定価の2割引き」は

f:id:kaneQ:20200525180439p:plain

で表現しましょう。2割をこのように表現するので定価は①となります。すると「定価の2割引きで売ったところ、売り値は1600円」はこのようになります

f:id:kaneQ:20200525180111p:plain

難しく考えないでください。問題文をそのまま図に書いているだけです

さあ、この図をながめて分かる事を書き足してみます

f:id:kaneQ:20200525180848p:plain

売り値の1600円は定価に対して8割である事に気づくと思います。この事から

f:id:kaneQ:20200525181048p:plain

となります。よって、

①=1600÷0.8=2000(円)

となります。「定価は何円ですか?」と問われているので答えは2000円となります

 

【問2】(入門:利益率から仕入れ値を求める)
あるプラモデルを売ると60円の利益がありました。この利益は仕入れ値の20%にあたります。仕入れ値はいくらですか?

問題文をそのまま図に書いていきます

「利益は仕入れ値の20%にあたります」とあるので、仕入れ値は①、利益は

f:id:kaneQ:20200525181653p:plain

とあらわす事ができます。これを念頭に、「プラモデルを売ると60円の利益がありました。この利益は仕入れ値の20%にあたります」をそのまま図にすると

f:id:kaneQ:20200525181427p:plain

となります。この問題の図はこれで完成です

f:id:kaneQ:20200525181941p:plain

なので、①=60÷0.2=300(円)となります。「仕入れ値はいくらですか?」と問われているので答えは①、すなわち300円となります

 

【問3】(基本:利益率から仕入れ値を求める)
あるプラモデルを仕入れ値の3割の利益を見込んで定価をつけました。このプラモデルを定価の2割引きで売ると、利益は40円でした。このプラモデルの仕入れ値はいくらですか?

問題文をそのまま図に書いていきます

仕入れ値の3割の利益を見込んで定価をつけました」「定価の2割引きで売ると」の2つの条件があります。このような場合はそれぞれをそのまま図に書きます。以下では2本の線分図で表現しますが、1本の線分図でも良いです

まず、「仕入れ値の3割の利益を見込んで定価をつけました」ですが、仕入れ値を1とした時に、利益を0.3とします。また「定価の2割引きで売ると」は定価を1とし割引きを0.2とします。

f:id:kaneQ:20200525195458p:plain

このままでは解けません。いつものとおり、ここから分かる事を図に書き足してみます。「定価の2割引きで売ると」より、売値は定価の8割という事が分かるので8割にあたる0.8を線分図に書き足してみます

f:id:kaneQ:20200525195603p:plain

書き足した0.8を○をつけた比率で表す事ができそうです。1.3の0.8が売り値なので売値は1.04となります

f:id:kaneQ:20200526210700p:plain

これより

f:id:kaneQ:20200526210755p:plain

という事がわかります。よって①=40÷0.04=1000(円)と求まります

 

【問4】(入門:売り上げ高を求めてから定価を求める)
リンゴを70円で300個仕入れましたが、そのうちの25個は傷んでいたので売るのをやめました。傷んでいないものは全て売って、全体で1割の利益があるように定価をつけると、1個何円になるでしょう

問題文をそのまま図に書いていきます

「70円で300個仕入れました」と「全体で1割の利益があるように定価をつける」を図にすると以下のようになります

f:id:kaneQ:20200526211046p:plain

この図より、売り上げは1.1なので

21000×1.1=23100(円)

という事が分かります

f:id:kaneQ:20200526211131p:plain

「傷んでいないものは全て売って」より売ったリンゴの数は

300-25=275(個)

となります。275個を全体で23100円で売るので1個あたりの売値(定価)は

23100÷275=84(円)

と求まります

 

【問5】(基本:値引き率と利益の差から定価を求める)
ある品物を定価の2割引きで売ると40円もうかり、2割5分引きで売ると20円もうかります。
(1)この品物の定価は何円ですか?
(2)この品物の仕入れ値は何円ですか?

 

(1)この品物の定価は何円ですか?

問題文をそのまま図に書いていきます

「定価の2割引きで売ると40円もうかり」「2割5分引きで売ると20円もうかります」を図にすると以下のようになります

f:id:kaneQ:20200526211839p:plain

この図をよく見て、分かる事を書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20200526211910p:plain

40円と20円の差は20円ですね。そして、この20円は定価を1とした時の比率で表すと、0.25と0.2の差の0.05に該当する事がわかります

f:id:kaneQ:20200526212013p:plain

よって、
①=20÷0.05=400(円) (定価)と求まります。これが(1)の答えです

 

(2)この品物の仕入れ値は何円ですか?

続けて、わかる事を書き足してみましょう

f:id:kaneQ:20200526211953p:plain

①=400円

である事が分かったので、

f:id:kaneQ:20200526212121p:plain

となります。よって、

仕入れ値)=400-(40+80)=280(円)

と求まります

【問6】(基本:割合だけで考える)

ある品物に仕入れ値の何割かの利益を見込んで定価をつけたところ、定価の2割引きで売っても、まだ仕入れ値の1割2分の利益がありました。定価を決める際、仕入れ値の何割の利益を見込んだでしょうか?

問題文をそのまま図に書いていきます

仕入れ値の何割かの利益を見込んで定価をつけたところ、定価の2割引きで売っても、まだ仕入れ値の1割2分の利益がありました」とあります。この条件は「仕入れ値の何割かの利益を見込んで定価をつけたところ、定価の2割引きで売っても」の部分と「まだ仕入れ値の1割2分の利益がありました」の部分に分けてみます

まず、「仕入れ値の何割かの利益を見込んで定価をつけたところ、定価の2割引きで売っても」は定価を基準に考えるのがよく、定価の割合を1、「2割引き」の2割は0.2とあらわす事ができます

次に、「まだ仕入れ値の1割2分の利益がありました」ですが、こちらは仕入れ値を1とすると「1割2分の利益」は0.12で表す事ができます

これらの条件を図に書くと以下のようになります。ここで注意してほしいのは、定価の「1」と「仕入れ値の1」は異なる尺度での割合なので区別して書くようにしましょう

f:id:kaneQ:20200526212349p:plain

この図に分かる事を書き足してみると以下となります

f:id:kaneQ:20200526212416p:plain

この図より、

f:id:kaneQ:20200526212536p:plain

という事が分かります。よって、

f:id:kaneQ:20200526212602p:plain

となります。この事を図に書き足すと以下となります

f:id:kaneQ:20200526212501p:plain

もうわかりましたね。仕入れ値の1に対して定価は1.4なので4割の利益を見込んでいたことが分かります


【問7】(基本:1個あたりの定価を①と置いて整理する)

仕入れ値が1個330円の品物を100個仕入れて、仕入れ値の何割か増しの定価をつけました。この品物を、10個を定価の3割引きで、30個を定価の2割引きで、残りを定価のままで全部売ったら3400円の利益になりました。定価はいくらですか?

 問題文をそのまま図に書いていきます

まず「1個330円の品物を100個仕入れて」と「3400円の利益」で全体像を書きます。ここに「10個を定価の3割引きで」「30個を定価の2割引きで」「残りを定価のままで」をそれぞれ書き足してみましょう。ここで、品物1個の定価を1とします。また、「10個を定価の3割引きで」は「10個を定価の7割で」に置き換えます。同じように「30個を定価の2割引きで」は「30個を定価の8割で」に、「残りを定価のままで」は「60個を定価のままで」と考えます。

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これを整理すると以下になります

f:id:kaneQ:20200606221626p:plain

これより、
f:id:kaneQ:20200526213146p:plain

なので、

f:id:kaneQ:20200526213205p:plain

が求まりました

 

【問8】(応用:つるかめ算を利用して解く)
なし500個を、仕入れ値の2割の利益を見込んで定価をつけて売りました。何個か売れ残ったので、残ったなしを5円引きで売ったら、全部売れて、利益は4000円になりました。これは初めに見込んだ利益の8割に相当します。

(1)なし1個の仕入れ値は何円ですか
(2)値引きして売ったなしは何個ですか?

 

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f:id:kaneQ:20200607145350p:plain

f:id:kaneQ:20200607150939p:plain

f:id:kaneQ:20200607151121p:plain

f:id:kaneQ:20200607151143p:plain


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定価は50円×1.2=60円
5円引きの値段は60-5=55円
なしを合わせて500個買いました。何個かを定価の60円で売りました。残りを5円引きの55円で売ったら売り上げ高は29000円でした。値引きして売ったなしは何個ですか?

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5円×☐個=1000円
よって、
☐=1000÷5=200個

 

【問9】(基本:とにかく整理する)
原価の2割5分の利益を見込んで定価をつけたある商品が、全部で100個あります。これらの商品を、3日間のお祭りの期間中に売る事にしました。
1日目:定価で30個売れました
2日目:1個につき定価から60円引いて50個売れました
3日目:残りの20個を定価の1割引きで売りに出したところ全て売れ利益は3日間であわせて19500円になりました。
(1)3日目の売値は原価の何倍ですか?
(2)原価はいくらですか?

 

この問題は自力で解いてみて下さい。

(1)は原価に対する定価の割合を求め、定価に対する1割引きの値段の割合を求める事で簡単に求まります。答えは1.125倍です

(2)は最終的な売上高に2日目で割り引いた額と3日目に割り引いた額を加えると見込みの利益になる事から求めます。答えは1000円です

 

頑張っていきましょう!

 

参考:目次

 

 

6-2. 濃度算(食塩水)

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こんにちは、kaneQです

 

2021/11/21追記

問10に関して、つるかめ算を使用した解き方を追記しました。この問題は食塩水の問題として考えると応用レベルの問題ですが、つるかめ算で考えると基本問題となります

 

2021/12/22

問11を削除しました

 

「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

今回は濃度算を学びます。食塩水の問題と考えてもらってよいです。食塩水は算数だけではなく理科でも出てきますのでしっかり理解するようにしましょう

 

今回のゴールは以下です
ゴール:面積図における逆比の使い方をマスターする

 

本記事では、「面積図」を中心に解説しますが、「てんびん図」を使った解き方、面積図やてんびん図を使わない「基本的な解き方」も説明します。この3つの解き方で一番重要なのは「基本的な解き方」です。かならず「基本的な解き方」もできるようにして下さい

 

面積図の考え方とてんびん図の考え方はそれぞれ以下を参照してください

濃度算(食塩水)と面積図

濃度算(食塩水)とてんびん図

 

まず、公式のおさらいです
食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度


例えば「10%の食塩水500gに含まれる食塩の重さは?」は
(食塩の重さ)=500×0.1=50(g)
となります

 

本記事では以下の10題の問題を紹介します。問題の種類は以下のとおりです
・食塩水と食塩水を混ぜる問題(問1、問2、問3)
・食塩水に食塩を加える問題(問4)
・食塩水に水を加える問題(問5)
・食塩水を蒸発させる問題(問6、問7)
・食塩水の一部を水と交換する問題(問8)
・食塩水の一部を別の食塩水と交換する問題(問9)
・その他(問10、問11)
難しいと感じる問題もあるかもしれませんが、問1から問9は基本問題なので必ず解けるようにしておきましょう 

 

【問1】(食塩水+食塩水)
12%の食塩水300gと2%の食塩水200gを混ぜてできる食塩水の濃度は何%になりますか?

【問2】(食塩水+食塩水)
ある濃度の食塩水300gと5%の食塩水100gを混ぜると、濃度が8%になりました。300gの食塩水の濃度は何%ですか?

【問3】(食塩水+食塩水)
8%の食塩水100gに15%の食塩水を何gか混ぜたら10%の食塩水ができました。15%の食塩水を何g混ぜたでしょうか?

【問4】(食塩水+塩)
10%の食塩水800gに食塩100gを加えると食塩水の濃度は何%になりますか?

【問5】(食塩水+水)
8%の食塩水300gに水100gを加えると食塩水の濃度は何%になりますか?

【問6】(食塩水、蒸発)
9%の食塩水200gから水を80g蒸発させると食塩水の濃度は何%になりますか?

【問7】(食塩水、蒸発)
9%の食塩水200gから水を蒸発させると濃度が15%になりました。水を何g蒸発させたでしょうか?

【問8】(食塩水と水の交換)
15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えたら濃度が8%になりました。こぼした食塩水は何gですか?

【問9】(食塩水と食塩水の交換)
15%の食塩水500gがあります。この食塩水から1部を捨て、代わりに捨てた食塩水と同じ重さの5%の食塩水を加えると13%の食塩水になりました。こぼした食塩水は何gですか?

【問10】(食塩水+食塩水)
7%の食塩水Aと2%の食塩水Bを混ぜて5%の食塩水500gができました。食塩水Aは何gですか?

 

それでは問1からやっていきましょう。先ほど言いましたが、問1~問9は基本問題です

 

基本問題を解くときのポイントは以下でしたね
1.問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く
2.図に書く事で見えてくる事を図に書き足していく
3.いつのまにか問題が解けている
濃度算でも上記手順で解き進める事ができます

 

【問1】(食塩水+食塩水)
12%の食塩水300gと2%の食塩水200gを混ぜてできる食塩水の濃度は何%になりますか?

 

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています

f:id:kaneQ:20200417150820p:plain

食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます

 f:id:kaneQ:20200420191335p:plain

 この図で色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は3:2となり、縦幅の比は「逆比」の2:3となります

f:id:kaneQ:20200417152800p:plain

求める濃度は赤線で示した部分の濃度なので
12-②=12-2×2=8%

と求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります

f:id:kaneQ:20200420191547p:plain

①=2%なので、混ぜ合わせた食塩水の濃度は図の赤字に注目し、8%と求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します

 

(解3:公式を使った基本的な解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります

f:id:kaneQ:20200417155243p:plain

「12%の食塩水300g」には公式により36gの食塩が含まれている事がわかります。「2%の食塩水200g」は同様に4gの食塩が含まれている事が分かります

混ぜ合わせた食塩水の重さ、食塩の重さはそれぞれの食塩水の重さと含まれる食塩の和になるので、食塩水の重さは500g、食塩の重さは40gになります。この事から、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は赤字で記載した通り、公式により8%と求まります

 

【問2】(食塩水+食塩水)
ある濃度の食塩水300gと5%の食塩水100gを混ぜると、濃度が8%になりました。300gの食塩水の濃度は何%ですか?

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「ある濃度の食塩水300g」と「5%の食塩水100g」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。「ある濃度の食塩水」は濃度がわからないので☐%と書いておきます。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています

f:id:kaneQ:20200417174442p:plain

食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます

f:id:kaneQ:20200417174712p:plain

 この図で色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は3:1となり、縦幅の比は「逆比」の1:3となります

f:id:kaneQ:20200417174834p:plain

求める濃度は赤字で示した部分の濃度なので
8+①=8+1×1=9%

と求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

「ある濃度の食塩水300g」と「5%の食塩水100g」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「ある濃度の食塩水」は濃度がわからないので☐%と書いておきます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります

f:id:kaneQ:20200420191805p:plain

①=1%なので、300gの食塩水の濃度は図の赤字に注目し、9%と求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します


(解3:公式を使った基本的な解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「ある濃度の食塩水300g」と「5%の食塩水100g」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります。「ある濃度の食塩水」は濃度がわからないので☐%と書いておきます

f:id:kaneQ:20200417180714p:plain

「5%の食塩水100g」には公式により5gの食塩が含まれている事がわかります

混ぜ合わせた食塩水の重さはそれぞれの食塩水の重さの和なので400gとなります。また、この400gの食塩水の濃度は8%なので含まれる食塩の重さは公式により32gである事がわかります

f:id:kaneQ:20200417180837p:plain

この事から、混ぜ合わせる前の300gの食塩水には27gの食塩が含まれている事がわかり、その濃度は公式により9%と求まります

 

【問3】(食塩水+食塩水)
8%の食塩水100gに15%の食塩水を何gか混ぜたら10%の食塩水ができました。15%の食塩水を何g混ぜたでしょうか?

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「8%の食塩水100g」と「15%の食塩水を何gか」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。「15%の食塩水を何gか」は重さがわからないので☐gと書いておきます。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています

f:id:kaneQ:20200417202724p:plain

食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます

f:id:kaneQ:20200417204147p:plain

 この図で色をつけたところの面積が等しいので、縦幅の比は2:5となり、横幅の比は「逆比」の5:2となります

求める重さは赤字で示した部分なので
☐=②=2×20=40g

と求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

「8%の食塩水100g」と「15%の食塩水を何gか」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「15%の食塩水を何gか」は重さがわからないので☐gと書いておきます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります

f:id:kaneQ:20200420191947p:plain

①=20gなので、15%の食塩水の重さは図の赤字に注目し、40gと求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します

 

(解3:公式を使った基本的な解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「8%の食塩水100g」と「15%の食塩水を何gか」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります。「15%の食塩水を何gか」は重さがわからないので①gと置く事にします

f:id:kaneQ:20200417211400p:plain

「8%の食塩水100g」には公式により8gの食塩が含まれている事がわかります。また、「15%の食塩水①g」には公式により

f:id:kaneQ:20200417205753p:plain

の食塩が含まれている事がわかります。よって、混ぜ合わせた後の食塩水には

f:id:kaneQ:20200417210659p:plain

の食塩が含まれている事になります

一方、混ぜ合わせた後の食塩水の重さは(100+①)gで、濃度が10%なので食塩は

f:id:kaneQ:20200417210307p:plain

とあらわす事ができます。これらが等しいので

f:id:kaneQ:20200417210856p:plain

が成り立ちます。この式を整理すると①=40となります。①は15%の食塩水の重さなので、15%の食塩水の重さは40gと求まります

 

【問4】(食塩水+塩)
10%の食塩水800gに食塩100gを加えると食塩水の濃度は何%になりますか?

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「10%の食塩水800g」と「食塩100g」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。「食塩100g」は「100%の食塩水100g」と置き換えて考えます。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています

f:id:kaneQ:20200418170837p:plain

食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます

f:id:kaneQ:20200418171118p:plain

 この図で色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は8:1となり、縦幅の比は「逆比」の1:8となります

求める濃度は赤線で示した部分の濃度なので
10+①=10+10=20%

と求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

「10%の食塩水800g」と「食塩100g」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「食塩100g」は「100%の食塩水100g」と置き換えて考えます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります

f:id:kaneQ:20200420192311p:plain

①=10%なので、混ぜ合わせた食塩水の濃度は図の赤字に注目し、20%と求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します

 

(解3:公式を使った基本的な解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「10%の食塩水800g」と「食塩100g」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります

f:id:kaneQ:20200418171941p:plain

「10%の食塩水800g」には公式により80gの食塩が含まれている事がわかります

混ぜ合わせた食塩水の重さは500g、食塩の重さは180gになります。この事から、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は赤字で記載した通り、公式により20%と求まります

 

【問5】(食塩水+水)
8%の食塩水300gに水100gを加えると食塩水の濃度は何%になりますか?

 

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「8%の食塩水300g」と「水100g」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。「水100g」は「0%の食塩水100g」と置き換えて考えます。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています

f:id:kaneQ:20200418194407p:plain

食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます

 f:id:kaneQ:20200418194625p:plain

 この図で色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は3:1となり、縦幅の比は「逆比」の1:3となります

求める濃度は赤字で示した部分の濃度なので
③=3×2=6%

と求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

「8%の食塩水300g」と「水100g」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「水100g」は「0%の食塩水100g」と置き換えて考えます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります

f:id:kaneQ:20200420192528p:plain

③=6%なので、混ぜ合わせた食塩水の濃度は図の赤字に注目し、6%と求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します

 

(解3:公式を使った基本的な解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「8%の食塩水300g」と「水100g」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります

f:id:kaneQ:20200418195209p:plain

「8%の食塩水300g」には公式により24gの食塩が含まれている事がわかります。混ぜ合わせた食塩水の重さは400g、食塩の重さは24gになります。この事から、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は赤字で記載した通り、公式により6%と求まります

 

【問6】(食塩水、蒸発)
9%の食塩水200gから水を80g蒸発させると食塩水の濃度は何%になりますか?

 

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文を面積図に書いてみます。食塩の重さにあたる部分を面積図に書く点と、横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわす点はいつもと同じです

「水を80g蒸発させる」はどのように書けばよいのか迷うところです

本記事では、問題文をそのまま書く方法と、問題文の解釈を変えて書く方法を紹介します

そのまま書く方法

まず「9%の食塩水200g」をそのまま書いてみます

f:id:kaneQ:20200419170316p:plain

上図から「水を80g蒸発させる」ので残りの食塩水は120gになります。また、濃度はもとの9%よりも濃くなります。この事をそのまま図に書き足してみます

f:id:kaneQ:20200419170703p:plain

このようになります

 

問題文の解釈を変えて書く方法

 次に、「9%の食塩水200gから水を80g蒸発させると」を「120gの食塩水と水80gを混ぜると9%の食塩水が200gできました」と解釈を変えてみます

「120gの食塩水と水80gをまぜる」を図にすると以下になります

f:id:kaneQ:20200419171007p:plain

これに「9%の食塩水200gができました」をつけ足すと

f:id:kaneQ:20200419171142p:plain

このようになります

 

「問題文をそのまま書く方法」「問題文の解釈を変えて書く方法」どちらも同じ図になりました。上記外の方法もあるかもしれません。自分が分かりやすい書き方をしましょう

 

解答を続けます

f:id:kaneQ:20200419171607p:plain

上記のように色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は3:2となり、縦幅の比は「逆比」の2:3となります

求める濃度は赤字で示した部分の濃度なので
9+② =9+6=15%

と求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

てんびん図も「水を80g蒸発させる」はどのように書けばよいのか迷うところです

さきほど面積図で「問題文の解釈を変えて書く方法」を紹介しましたが、この考え方が良さそうです。つまり、「9%の食塩水200gから水を80g蒸発させると」を「120gの食塩水と水80gを混ぜると9%の食塩水が200gできました」と解釈を変えてみます。こう解釈する事でてんびんのおもりは「120gの食塩水」と「水80g」となり、支点は「9%の食塩水が200g」となり図は以下のようになります

f:id:kaneQ:20200419172433p:plain

「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります

f:id:kaneQ:20200420193054p:plain

②=6%なので、水が蒸発した後の120gの食塩水の濃度は図の赤字に注目し、15%と求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します

 

(解3:公式を使った基本的な解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「9%の食塩水200g」から「水を80g蒸発させる」の様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります

f:id:kaneQ:20200419173125p:plain
「9%の食塩水200g」には公式により18gの食塩が含まれている事がわかります。水が80g蒸発した後の食塩水の重さは120g、食塩の重さは18gになります。この事から、水が蒸発した後の120gの食塩水の濃度は赤字で記載した通り、公式により15%と求まります

 

【問7】(食塩水、蒸発)
9%の食塩水200gから水を蒸発させると濃度が15%になりました。水を何g蒸発させたでしょうか?

 

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文を面積図に書いてみます。食塩の重さにあたる部分を面積図に書く点と、横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわす点はいつもと同じです

「水を80g蒸発させる」はどのように書けばよいのか迷うところですが、問6で紹介した「問題文をそのまま書く方法」で解き進める事にします

「9%の食塩水200gから水を蒸発させると濃度が15%になりました」は以下になります

f:id:kaneQ:20200419181132p:plain

 この図にわかる事を書き足していきます

f:id:kaneQ:20200419181335p:plain



上記のように色をつけたところの面積が等しいので、縦幅の比は2:3となり、横幅の比は「逆比」の3:2となります

求める濃度は赤線で示した部分の濃度なので80gと求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

この問題も「水を蒸発させる」をどのように書けばよいのか迷うので問題文の解釈を変えてみましょう

具体的には、「9%の食塩水200gから水を蒸発させると濃度が15%になりました」を「濃度が15%の食塩水と水を混ぜると9%の食塩水200gができました」と解釈を変えてみます。こう解釈する事でてんびんのおもりは「濃度が15%の食塩水」と「水」となり、支点は「9%の食塩水が200g」となり図は以下のようになります。図には、「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」から分かる情報も書き加えましょう

 f:id:kaneQ:20200420193431p:plain蒸発した水は②であり、赤字に注目すると②=80gと求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します

 

(解3:公式を使った基本的な解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「9%の食塩水200g」から「水をさせる」の様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります

f:id:kaneQ:20200419194314p:plain

「9%の食塩水200g」には公式により18gの食塩が含まれている事がわかります。水が蒸発した後の食塩水の重さを①としたとき、この食塩水の濃度は15%なので公式により食塩の重さは

f:id:kaneQ:20200419194034p:plain

となります。これが18gなので①は120gとなります。蒸発した水の重さは赤字で記載した通り80gと求まります

 

【問8】(食塩水と水の交換)
15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えたら濃度が8%になりました。こぼした食塩水は何gですか

 

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文を面積図に書いてみます。食塩の重さにあたる部分を面積図に書く点と、横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわす点はいつもと同じです。「15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えた」は以下のようになります

f:id:kaneQ:20200420121219p:plain

この下側の図に分かる事を書き加えてみましょう

f:id:kaneQ:20200420193734p:plain



上記のように色をつけたところの面積が等しいので、縦幅の比は7:8となり、横幅の比は「逆比」の8:7となります

「こぼした食塩水の重さ」は加えた水の重さと等しいので、求める濃度は赤字で示した部分の重さとなり280gと求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

この問題も問題文の解釈を変えてみます。「15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えたら濃度が8%になりました」は「15%の食塩水△gと水☐gをまぜると8%の食塩水が600gできました」と考える事ができます

こう解釈する事でてんびんのおもりは「15%の食塩水△g」と「水☐g」となり、支点は「8%の食塩水が600g」となり図は以下のようになります。図には、「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」から分かる情報も書き加えましょう

f:id:kaneQ:20200420194018p:plain

「こぼした食塩水の重さ」は加えた水の重さと等しいので、赤字に注目すると⑦=280gと求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します

 

(解3:公式を使った基本的な解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えたら濃度が8%になりました」の様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります

f:id:kaneQ:20200420122942p:plain

「15%の食塩水600g」には公式により90gの食塩が含まれている事がわかります。また、「こぼしたのと同じ重さの水を加えた食塩水」には公式により48gの食塩が含まれている事になります。つまり、「こぼしたのと同じ重さの水を加えたら」により食塩は42g減った事になります。この減った42gの食塩はこぼれた15%の食塩に含まれている食塩なので、整理するとこぼれた食塩水の重さは赤字で記載した通り280gと求まります

 

【問9】(食塩水と食塩水の交換)
15%の食塩水500gがあります。この食塩水から1部を捨て、代わりに捨てた食塩水と同じ重さの5%の食塩水を加えると13%の食塩水になりました。こぼした食塩水は何gですか?

 

こちらは問8とほぼ同じなので解説は省略します。答えは「100g」です

なお、(解3:公式を使った基本的な解き方)は少し難しいかもしれません。こぼした食塩水の重さを☐gまたは①gと置いて方程式をたてて解く事になります

 

【問10】(食塩水+食塩水)
7%の食塩水Aと2%の食塩水Bを混ぜて5%の食塩水500gができました。食塩水Aは何gですか?

 

この問題はつるかめ算でも解く事ができます。ぜひ挑戦してみて下さい

以下ではいつもの解1~解3を解説します

 

(解1:面積図を使った解き方)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「7%の食塩水Aと2%の食塩水Bを混ぜて5%の食塩水500gができました」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書く点と、横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわす点はいつもと同じです

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図から分かる事をどんどん書き足してみます

 

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 この図で色をつけたところの面積が等しいので、縦幅の比は2:3となり、横幅の比は「逆比」の3:2となります。Aの重さは赤字で示した部分なので300gと求まります

 

(解2:てんびん図を使った解き方)

「7%の食塩水A」と「2%の食塩水B」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります

f:id:kaneQ:20200420194347p:plain

食塩水Aの重さは図の赤字に注目し300gと求まります

てんびん図を使った解き方の詳細は省略します

 

(解3:公式を使った基本的な解き方)

問10は解3が一番難しいと思います。公式を使って解く場合、方程式と消去算を使う必要があります(いわゆる連立方程式です)

まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「7%の食塩水Aと2%の食塩水Bを混ぜて5%の食塩水500gができました」をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります

ここで、食塩水Aの重さを①g、食塩水Bの重さをf:id:kaneQ:20200421083015p:plaingと置く事がこの問題を解くポイントとなります

f:id:kaneQ:20200420150133p:plain

公式により、食塩水Aには

f:id:kaneQ:20200420150411p:plain

の食塩が含まれ、食塩水Bには

f:id:kaneQ:20200420150507p:plain

の食塩が含まれている事になります。これらの和が混ぜた後の食塩水に含まれる食塩の重さと等しくなるので、

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という式が成り立ちます。また、食塩水Aと食塩水Bを混ぜると500gになるので、

f:id:kaneQ:20200420150800p:plain

という式も成り立ちます。これら2つの式を消去算で整理してみます

f:id:kaneQ:20200420150931p:plain

消去算により整理すると①=300gとなり、食塩水Aの重さは300gである事がわかります

 

(解4:つるかめ算)

最後につるかめ算を使った解き方を説明します。この問題は食塩水の問題にみせかけたつるかめ算の問題と考える事ができます。気付きましたか?

問題文にだまされずに、どのように解くかを見極める事を忘れないようにしましょう

この問題は食塩水の問題と考えると難易度は高くなりますが、つるかめ算と考えると基本中の基本の容易な問題となります

 

まず、5%の食塩水500gに含まれる食塩の量は

500×0.05=25g

は計算で求めておきます

 

次に、

  • 500gの食塩水の全てが食塩水Aだったら
  • 500gの食塩で、400gが食塩水A、100gが食塩水Bだったら
  • 500gの食塩で、300gが食塩水A、200gが食塩水Bだったら

と順に考えて表を書いてみます

f:id:kaneQ:20211121132736p:plain

はい!

いきなり答えの300gに到達できました。今回はつるかめ算をつかうまでもなく表を書くと1分くらいで答えに到達できました。今回のようにきっかり計算できない場合はつるかめ算を使う事になりますがおそらく2分くらいで答えに到達できます

この問題は食塩水の問題として考えると応用レベルの問題ですが、つるかめ算で考えると基本問題となります

 

 

食塩水の問題はたいていの場合「面積図やてんびん図」で解く事ができます
ただ、「面積図やてんびん図」を使うと問題の意味をおろそかにしがちになるので、「面積図やてんびん図」を使わずに問題の意味を理解しながら解く「基本的な解き方」は必ず理解しましょう。「面積図やてんびん図」では解けない問題が出た場合、基本的な考え方を理解しておかないと解けなくなってしまいます


今回いろいろな解き方を紹介しましたが以下の順でマスターするようにお願いしたいです
1.「基本的な解き方」を理解する(必須)
2.「基本的な解き方」を理解した上で、問題を早く解くための方法として「面積図」「てんびん図」を身につけておく

 

なお、面積図とてんびん図はどちらか1つを押さえておけば良いです。器用な人は両方覚えておいて損はないですが、そうでない人はあれこれ手を出すのは危険です。面積図に絞って理解を深めるのをおすすめします。てんびん図より面積図をすすめる理由は2つあります

  • 面積図の方がてんびん図より多くの種類の特殊算で利用できる。どちらかに絞るのであれば面積図が良い(よけいなてんびん図は覚えない)
  • (必ずしもそうとは限らないですが)てんびん図は、今回紹介した問6、7、8、9のように問題文の解釈を変えないと図をかけない問題がある

まあ、結局は好みかもしれません


頑張っていきましょう!

 

参考:目次

 

[Rev.0.01 2020/4/21]

[Rev.0.02 2021/11/21]

[Rev.0.03 2021/12/22]

濃度算(食塩水)とてんびん図

f:id:kaneQ:20200417081155p:plain


[Rev.1.00 2020/4/17]

 

こんにちは、kaneQです

 

参考:目次

 

本記事では食塩水の問題(濃度算)をてんびん図を使用して解く方法を説明します

まず、公式のおさらいです。以下は必ず覚えて下さい
食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度

 

それでは実際に食塩水の問題(濃度算)を解いてみましょう。「なぜ濃度算でてんびん図が成り立つのか?」は難しいですが、文末に載せておきます

 

【例題】
12%の食塩水300gと2%の食塩水200gを混ぜてできる食塩水の濃度は何%になりますか?

 

まず、公式を使った基本的な解き方を説明し、次にてんびん図を使った説明をする事にします

 

(解1:公式を使った基本的な解き方)

「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を混ぜるとありますのでそのままのイメージを図にしてみます(いわゆるビーカー図です)

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混ぜた後の食塩水は300gと200gを足した500gになることが分かると思います。他に分かる事を書き足してみましょう

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「12%の食塩水300g」には公式を使い食塩が36g含まれている事がわかります。また、「2%の食塩水200g」には4gの食塩が含まれていることが分かります。よって、混ぜた食塩水には食塩は36gと4gの和の40g含まれている事が分かります

混ぜた後の食塩水の重さは500gで、含まれる食塩は40gなのでこの食塩水の濃度は
濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さ =40÷500 = 0.08
となり8%である事が求まりました

 

次にてんびん図を使った解き方をみてみましょう

 

(解2:てんびん図をつかった解き方)
「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を混ぜるとありますのでそれぞれの食塩水をおもりとしててんびんの図を書いてみます

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てんびんの支点は300gと200gを支えるので重さのつり合いから500gの力が加わる事になります。食塩水のてんびん図において、支点は各食塩水を混ぜ合わせた食塩水をあらわす事になります

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また、てんびんをつりあわせるためには300gによるモーメントと200gによるモーメントを等しくする必要があるので、それぞれのおもりと支点との距離はおもりの重さの「逆比」になります。それぞれのおもりの比とそれぞれのおもりと支点との距離の比を書き加えると以下のようになります

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次に濃度です。300gの食塩水の濃度が12%、200gの食塩水の濃度が2%なので濃度の差は10%となります。一方で支点とおもりの距離の比の合計は⑤となります

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図において、比の合計の⑤は濃度の差の10%と等価なので

① = 2%

と換算できる事になります。よって、支点の濃度は

2%+③ = 2%+(3×2%)=8%

と求まりました

  

てんびん図を利用して濃度算を解く場合、「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」という考え方を使う事になります

なぜ「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」が成り立つのかは文末に載せますが、まずは「そういうもんだ」くらいに考えておいてください

 

ここで、(解1:公式を使った基本的な解き方)と(解2:てんびん図をつかった解き方)を比較してみたいと思います

 

(解1)では、混ぜる前の食塩水に含まれる食塩の重さをそれぞれ計算で求め、混ぜた後の食塩の重さと食塩水の重さから濃度を計算しました

(解2)は比を使った簡単な計算だけで濃度が求まりました

計算の量で比較すると(解2)の方が圧倒的に少ないです。つまり、計算ミス等をする可能性も低くなります

一方で、(解2)は食塩水の意味を考えなくても問題が解けてしまいます。極端なはなし、てんびん図は「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」という事だけ意識しさえすれば食塩水の公式を覚えていなくても問題が解けてしまいます。また、「なぜてんびん図を使って解く事ができるのか」を理解していなくても単なるてんびんパズルとして問題を解けてしまいます。もし、食塩水の意味を理解しないままてんびん図を使っていると、てんびん図では解けない濃度算に太刀打ちできなくなるので注意しましょう

 

本記事のまとめです

  • てんびん図は問題を早く解くために非常に有効な手段である
  • てんびん図は計算ミスをなくすために非常に有効な手段である
  • 基本的な解き方を理解した上でてんびん図を使う事
  • てんびん図でなぜ濃度算を解く事ができるのかを理解した上でてんびん図を使う事(これは正直、小学生には難しいと思います)

 

さて、先ほど予告しましたが、「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」について説明します。説明にあたり、「分配法則」と「代入」、「移項」、「比例式」を駆使するため小学生には難しめの内容と思いますが、1回は説明を読んでみて欲しいです。できれば数式の部分をノートに書き写すくらいすると理解が深まります

 

以下の状況を考えてみましょう

食塩水A(濃度aの食塩水Ag)と食塩水B(濃度bの食塩水Bg)を混ぜて食塩水C(濃度cの食塩水)をつくる (a > c > bとする)

まずビーカー図で整理してみます

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食塩水Cに含まれる食塩の重さは
(A+B)×c
とあらわす事ができ、また食塩水Cに含まれる食塩の重さは食塩水Aと食塩水Bに含まれる食塩の和なので
(A×a)+(B×b)
とあらわすことができます。これらが等しいので
(A+B) ×c=(A×a)+(B×b)
となります。これより

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が成り立ちます。ここでてんびん図を書いてみましょう

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濃度に注目してみます。今、a > c > b なので、(a – c) : (c – b)について考えてみましょう。ここでcについて先ほどの①の置き換え(代入)をしてみると以下のように整理できます

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となります。長くなったのでまとめを書くと

(a – c) : (c – b) = B:A

となる事がわかりました。先ほどの図にこの事を書き足すと以下のようになります

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この図は「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」を示しています。濃度に関しても食塩水の重さの逆比が成り立つことが分かりました。これで安心しててんびん図を使う事ができますね!

 

食塩水の問題には様々なバリエーションがあります。いくつか紹介しますので興味のあるかたはこちらをどうぞ

参考ですが、面積図を使った濃度算の解き方はこちらに掲載しました

 

それでは、頑張っていきましょう!

 

参考:目次

 

[Rev.0.00 2020/4/17]

濃度算(食塩水)と面積図

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[Rev.0.00 2020/4/16]

 

こんにちは、kaneQです

 

参考:目次

 

本記事では食塩水の問題(濃度算)を面積図を使用して解く方法を説明します

まず、公式のおさらいです。以下は必ず覚えて下さい
食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度

 

例えば「10%の食塩水500gに含まれる食塩の重さは?」は
食塩の重さ=500×0.1=50g
となります

 

それでは実際に食塩水の問題(濃度算)を解いてみましょう

 

【例題】
12%の食塩水300gと2%の食塩水200gを混ぜてできる食塩水の濃度は何%になりますか?

 

まず、公式を使った基本的な解き方を説明し、次に面積図を使った説明をする事にします

 

(解1:公式を使った基本的な解き方)

「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を混ぜるとありますのでそのままのイメージを図にしてみます(いわゆるビーカー図です)

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混ぜた後の食塩水は300gと200gを足した500gになることが分かると思います。他に分かる事を書き足してみましょう

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「12%の食塩水300g」には公式を使い食塩が36g含まれている事がわかります。また、「2%の食塩水200g」には4gの食塩が含まれていることが分かります。よって、混ぜた食塩水には食塩は36gと4gの和の40g含まれている事が分かります

混ぜた後の食塩水の重さは500gで、含まれる食塩は40gなのでこの食塩水の濃度は
濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さ =40÷500 = 0.08
となり8%である事が求まりました

 

次に面積図を使った解き方をみてみましょう

 

(解2:面積図をつかった解き方)
「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を混ぜるとありますのでそのままのイメージを図にしてみます

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混ぜる事で何%かの食塩水が500gできました

なお、図では「食塩」と書いてある部分は食塩水に含まれる食塩の重さを表しています。例えば、「12%の食塩水300g」に含まれる食塩の重さは

12% × 300g

なので、食塩の重さは「食塩」と書いてある部分の「面積」となります

 

次に、混ぜたあとの図の食塩の部分に注目してください

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混ぜる前と混ぜたあとで食塩の重さは同じなので、混ぜる事で①の部分の食塩が②に移動したと考える事ができます。つまり、
①の面積=②の面積
となるのです

①の面積と②の面積ですが、横の幅は300g:200gなので3:2という事が分かります。図に

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を書き加えてみましょう。そして①の面積と②の面積は等しいので縦の幅は横の幅の「逆比」になり2:3となります。図に

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を書き加えてみましょう

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縦の幅の比を足すと

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となり、この部分は12%と2%の差である10%に相当するので

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となります。混ぜたあとの食塩水の濃度は以下の図で考えてみましょう

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混ぜたあとの食塩水の濃度は 

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なので8%と求まります

 

面積図を利用して濃度算を解く場合、この「①の面積と②の面積が同じ」という考え方を使う事になります

説明が長くなりましたが、慣れると一番下の図だけ書いて解けるようになります

 

ここで、(解1:公式を使った基本的な解き方)と(解2:面積図をつかった解き方)を比較してみたいと思います

 

(解1)では、混ぜる前の食塩水に含まれる食塩の重さをそれぞれ計算で求め、混ぜた後の食塩の重さと食塩水の重さから濃度を計算しました

(解2)は比を使った簡単な計算だけで濃度が求まりました

計算の量で比較すると(解2)の方が圧倒的に少ないです。つまり、計算ミス等をする可能性も低くなります

一方で、(解2)は食塩水の意味を考えなくても問題が解けてしまいます。極端なはなし、面積図は横幅に食塩水の重さ、縦幅に濃度を置くという事だけ意識しさえすれば食塩水の公式を覚えていなくても問題が解けてしまいます。また、「なぜ面積図を使って解く事ができるのか」を理解していなくても単なる図形の面積の問題として問題を解けてしまいます。もし、食塩水の意味を理解しないまま面積図を使っていると、面積図では解けない濃度算に太刀打ちできなくなるので注意しましょう

 

本記事のまとめです

  • 面積図は問題を早く解くために非常に有効な手段である
  • 面積図は計算ミスをなくすために非常に有効な手段である
  • 基本的な解き方、面積図でなぜ濃度算を解く事ができるのかを理解した上で面積図を使う事

 

食塩水の問題には様々なバリエーションがあります。いくつか紹介しますので興味のあるかたはこちらをどうぞ

また、参考ですが、てんびん図を使った濃度算の解き方はこちらに掲載しました

 

それでは、頑張っていきましょう!

 

参考:目次