6-2. 濃度算(食塩水)
こんにちは、kaneQです
2021/11/21追記
問10に関して、つるかめ算を使用した解き方を追記しました。この問題は食塩水の問題として考えると応用レベルの問題ですが、つるかめ算で考えると基本問題となります
2021/12/22
問11を削除しました
「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう
参考:目次
今回は濃度算を学びます。食塩水の問題と考えてもらってよいです。食塩水は算数だけではなく理科でも出てきますのでしっかり理解するようにしましょう
今回のゴールは以下です
ゴール:面積図における逆比の使い方をマスターする
本記事では、「面積図」を中心に解説しますが、「てんびん図」を使った解き方、面積図やてんびん図を使わない「基本的な解き方」も説明します。この3つの解き方で一番重要なのは「基本的な解き方」です。かならず「基本的な解き方」もできるようにして下さい
面積図の考え方とてんびん図の考え方はそれぞれ以下を参照してください
まず、公式のおさらいです
食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度
例えば「10%の食塩水500gに含まれる食塩の重さは?」は
(食塩の重さ)=500×0.1=50(g)
となります
本記事では以下の10題の問題を紹介します。問題の種類は以下のとおりです
・食塩水と食塩水を混ぜる問題(問1、問2、問3)
・食塩水に食塩を加える問題(問4)
・食塩水に水を加える問題(問5)
・食塩水を蒸発させる問題(問6、問7)
・食塩水の一部を水と交換する問題(問8)
・食塩水の一部を別の食塩水と交換する問題(問9)
・その他(問10、問11)
難しいと感じる問題もあるかもしれませんが、問1から問9は基本問題なので必ず解けるようにしておきましょう
【問1】(食塩水+食塩水)
12%の食塩水300gと2%の食塩水200gを混ぜてできる食塩水の濃度は何%になりますか?
【問2】(食塩水+食塩水)
ある濃度の食塩水300gと5%の食塩水100gを混ぜると、濃度が8%になりました。300gの食塩水の濃度は何%ですか?
【問3】(食塩水+食塩水)
8%の食塩水100gに15%の食塩水を何gか混ぜたら10%の食塩水ができました。15%の食塩水を何g混ぜたでしょうか?
【問4】(食塩水+塩)
10%の食塩水800gに食塩100gを加えると食塩水の濃度は何%になりますか?
【問5】(食塩水+水)
8%の食塩水300gに水100gを加えると食塩水の濃度は何%になりますか?
【問6】(食塩水、蒸発)
9%の食塩水200gから水を80g蒸発させると食塩水の濃度は何%になりますか?
【問7】(食塩水、蒸発)
9%の食塩水200gから水を蒸発させると濃度が15%になりました。水を何g蒸発させたでしょうか?
【問8】(食塩水と水の交換)
15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えたら濃度が8%になりました。こぼした食塩水は何gですか?
【問9】(食塩水と食塩水の交換)
15%の食塩水500gがあります。この食塩水から1部を捨て、代わりに捨てた食塩水と同じ重さの5%の食塩水を加えると13%の食塩水になりました。こぼした食塩水は何gですか?
【問10】(食塩水+食塩水)
7%の食塩水Aと2%の食塩水Bを混ぜて5%の食塩水500gができました。食塩水Aは何gですか?
それでは問1からやっていきましょう。先ほど言いましたが、問1~問9は基本問題です
基本問題を解くときのポイントは以下でしたね
1.問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く
2.図に書く事で見えてくる事を図に書き足していく
3.いつのまにか問題が解けている
濃度算でも上記手順で解き進める事ができます
【問1】(食塩水+食塩水)
12%の食塩水300gと2%の食塩水200gを混ぜてできる食塩水の濃度は何%になりますか?
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています
食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます
この図で色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は3:2となり、縦幅の比は「逆比」の2:3となります
求める濃度は赤線で示した部分の濃度なので
12-②=12-2×2=8%
と求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります
①=2%なので、混ぜ合わせた食塩水の濃度は図の赤字に注目し、8%と求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「12%の食塩水300g」と「2%の食塩水200g」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります
「12%の食塩水300g」には公式により36gの食塩が含まれている事がわかります。「2%の食塩水200g」は同様に4gの食塩が含まれている事が分かります
混ぜ合わせた食塩水の重さ、食塩の重さはそれぞれの食塩水の重さと含まれる食塩の和になるので、食塩水の重さは500g、食塩の重さは40gになります。この事から、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は赤字で記載した通り、公式により8%と求まります
【問2】(食塩水+食塩水)
ある濃度の食塩水300gと5%の食塩水100gを混ぜると、濃度が8%になりました。300gの食塩水の濃度は何%ですか?
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「ある濃度の食塩水300g」と「5%の食塩水100g」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。「ある濃度の食塩水」は濃度がわからないので☐%と書いておきます。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています
食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます
この図で色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は3:1となり、縦幅の比は「逆比」の1:3となります
求める濃度は赤字で示した部分の濃度なので
8+①=8+1×1=9%
と求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
「ある濃度の食塩水300g」と「5%の食塩水100g」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「ある濃度の食塩水」は濃度がわからないので☐%と書いておきます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります
①=1%なので、300gの食塩水の濃度は図の赤字に注目し、9%と求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「ある濃度の食塩水300g」と「5%の食塩水100g」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります。「ある濃度の食塩水」は濃度がわからないので☐%と書いておきます
「5%の食塩水100g」には公式により5gの食塩が含まれている事がわかります
混ぜ合わせた食塩水の重さはそれぞれの食塩水の重さの和なので400gとなります。また、この400gの食塩水の濃度は8%なので含まれる食塩の重さは公式により32gである事がわかります
この事から、混ぜ合わせる前の300gの食塩水には27gの食塩が含まれている事がわかり、その濃度は公式により9%と求まります
【問3】(食塩水+食塩水)
8%の食塩水100gに15%の食塩水を何gか混ぜたら10%の食塩水ができました。15%の食塩水を何g混ぜたでしょうか?
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「8%の食塩水100g」と「15%の食塩水を何gか」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。「15%の食塩水を何gか」は重さがわからないので☐gと書いておきます。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています
食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます
この図で色をつけたところの面積が等しいので、縦幅の比は2:5となり、横幅の比は「逆比」の5:2となります
求める重さは赤字で示した部分なので
☐=②=2×20=40g
と求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
「8%の食塩水100g」と「15%の食塩水を何gか」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「15%の食塩水を何gか」は重さがわからないので☐gと書いておきます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります
①=20gなので、15%の食塩水の重さは図の赤字に注目し、40gと求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「8%の食塩水100g」と「15%の食塩水を何gか」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります。「15%の食塩水を何gか」は重さがわからないので①gと置く事にします
「8%の食塩水100g」には公式により8gの食塩が含まれている事がわかります。また、「15%の食塩水①g」には公式により
の食塩が含まれている事がわかります。よって、混ぜ合わせた後の食塩水には
の食塩が含まれている事になります
一方、混ぜ合わせた後の食塩水の重さは(100+①)gで、濃度が10%なので食塩は
とあらわす事ができます。これらが等しいので
が成り立ちます。この式を整理すると①=40となります。①は15%の食塩水の重さなので、15%の食塩水の重さは40gと求まります
【問4】(食塩水+塩)
10%の食塩水800gに食塩100gを加えると食塩水の濃度は何%になりますか?
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「10%の食塩水800g」と「食塩100g」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。「食塩100g」は「100%の食塩水100g」と置き換えて考えます。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています
食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます
この図で色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は8:1となり、縦幅の比は「逆比」の1:8となります
求める濃度は赤線で示した部分の濃度なので
10+①=10+10=20%
と求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
「10%の食塩水800g」と「食塩100g」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「食塩100g」は「100%の食塩水100g」と置き換えて考えます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります
①=10%なので、混ぜ合わせた食塩水の濃度は図の赤字に注目し、20%と求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「10%の食塩水800g」と「食塩100g」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります
「10%の食塩水800g」には公式により80gの食塩が含まれている事がわかります
混ぜ合わせた食塩水の重さは500g、食塩の重さは180gになります。この事から、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は赤字で記載した通り、公式により20%と求まります
【問5】(食塩水+水)
8%の食塩水300gに水100gを加えると食塩水の濃度は何%になりますか?
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「8%の食塩水300g」と「水100g」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書きましょう。「水100g」は「0%の食塩水100g」と置き換えて考えます。横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわしています
食塩水を混ぜるので食塩をならし、ならした後の様子を点線で書いてみます
この図で色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は3:1となり、縦幅の比は「逆比」の1:3となります
求める濃度は赤字で示した部分の濃度なので
③=3×2=6%
と求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
「8%の食塩水300g」と「水100g」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「水100g」は「0%の食塩水100g」と置き換えて考えます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります
③=6%なので、混ぜ合わせた食塩水の濃度は図の赤字に注目し、6%と求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「8%の食塩水300g」と「水100g」を混ぜる様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります
「8%の食塩水300g」には公式により24gの食塩が含まれている事がわかります。混ぜ合わせた食塩水の重さは400g、食塩の重さは24gになります。この事から、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は赤字で記載した通り、公式により6%と求まります
【問6】(食塩水、蒸発)
9%の食塩水200gから水を80g蒸発させると食塩水の濃度は何%になりますか?
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文を面積図に書いてみます。食塩の重さにあたる部分を面積図に書く点と、横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわす点はいつもと同じです
「水を80g蒸発させる」はどのように書けばよいのか迷うところです
本記事では、問題文をそのまま書く方法と、問題文の解釈を変えて書く方法を紹介します
そのまま書く方法
まず「9%の食塩水200g」をそのまま書いてみます
上図から「水を80g蒸発させる」ので残りの食塩水は120gになります。また、濃度はもとの9%よりも濃くなります。この事をそのまま図に書き足してみます
このようになります
問題文の解釈を変えて書く方法
次に、「9%の食塩水200gから水を80g蒸発させると」を「120gの食塩水と水80gを混ぜると9%の食塩水が200gできました」と解釈を変えてみます
「120gの食塩水と水80gをまぜる」を図にすると以下になります
これに「9%の食塩水200gができました」をつけ足すと
このようになります
「問題文をそのまま書く方法」「問題文の解釈を変えて書く方法」どちらも同じ図になりました。上記外の方法もあるかもしれません。自分が分かりやすい書き方をしましょう
解答を続けます
上記のように色をつけたところの面積が等しいので、横幅の比は3:2となり、縦幅の比は「逆比」の2:3となります
求める濃度は赤字で示した部分の濃度なので
9+② =9+6=15%
と求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
てんびん図も「水を80g蒸発させる」はどのように書けばよいのか迷うところです
さきほど面積図で「問題文の解釈を変えて書く方法」を紹介しましたが、この考え方が良さそうです。つまり、「9%の食塩水200gから水を80g蒸発させると」を「120gの食塩水と水80gを混ぜると9%の食塩水が200gできました」と解釈を変えてみます。こう解釈する事でてんびんのおもりは「120gの食塩水」と「水80g」となり、支点は「9%の食塩水が200g」となり図は以下のようになります
「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります
②=6%なので、水が蒸発した後の120gの食塩水の濃度は図の赤字に注目し、15%と求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「9%の食塩水200g」から「水を80g蒸発させる」の様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります
「9%の食塩水200g」には公式により18gの食塩が含まれている事がわかります。水が80g蒸発した後の食塩水の重さは120g、食塩の重さは18gになります。この事から、水が蒸発した後の120gの食塩水の濃度は赤字で記載した通り、公式により15%と求まります
【問7】(食塩水、蒸発)
9%の食塩水200gから水を蒸発させると濃度が15%になりました。水を何g蒸発させたでしょうか?
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文を面積図に書いてみます。食塩の重さにあたる部分を面積図に書く点と、横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわす点はいつもと同じです
「水を80g蒸発させる」はどのように書けばよいのか迷うところですが、問6で紹介した「問題文をそのまま書く方法」で解き進める事にします
「9%の食塩水200gから水を蒸発させると濃度が15%になりました」は以下になります
この図にわかる事を書き足していきます
上記のように色をつけたところの面積が等しいので、縦幅の比は2:3となり、横幅の比は「逆比」の3:2となります
求める濃度は赤線で示した部分の濃度なので80gと求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
この問題も「水を蒸発させる」をどのように書けばよいのか迷うので問題文の解釈を変えてみましょう
具体的には、「9%の食塩水200gから水を蒸発させると濃度が15%になりました」を「濃度が15%の食塩水と水を混ぜると9%の食塩水200gができました」と解釈を変えてみます。こう解釈する事でてんびんのおもりは「濃度が15%の食塩水」と「水」となり、支点は「9%の食塩水が200g」となり図は以下のようになります。図には、「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」から分かる情報も書き加えましょう
蒸発した水は②であり、赤字に注目すると②=80gと求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「9%の食塩水200g」から「水をさせる」の様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります
「9%の食塩水200g」には公式により18gの食塩が含まれている事がわかります。水が蒸発した後の食塩水の重さを①としたとき、この食塩水の濃度は15%なので公式により食塩の重さは
となります。これが18gなので①は120gとなります。蒸発した水の重さは赤字で記載した通り80gと求まります
【問8】(食塩水と水の交換)
15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えたら濃度が8%になりました。こぼした食塩水は何gですか?
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文を面積図に書いてみます。食塩の重さにあたる部分を面積図に書く点と、横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわす点はいつもと同じです。「15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えた」は以下のようになります
この下側の図に分かる事を書き加えてみましょう
上記のように色をつけたところの面積が等しいので、縦幅の比は7:8となり、横幅の比は「逆比」の8:7となります
「こぼした食塩水の重さ」は加えた水の重さと等しいので、求める濃度は赤字で示した部分の重さとなり280gと求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
この問題も問題文の解釈を変えてみます。「15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えたら濃度が8%になりました」は「15%の食塩水△gと水☐gをまぜると8%の食塩水が600gできました」と考える事ができます
こう解釈する事でてんびんのおもりは「15%の食塩水△g」と「水☐g」となり、支点は「8%の食塩水が600g」となり図は以下のようになります。図には、「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」から分かる情報も書き加えましょう
「こぼした食塩水の重さ」は加えた水の重さと等しいので、赤字に注目すると⑦=280gと求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「15%の食塩水600gの一部をこぼしたので、こぼしたのと同じ重さの水を加えたら濃度が8%になりました」の様子をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります
「15%の食塩水600g」には公式により90gの食塩が含まれている事がわかります。また、「こぼしたのと同じ重さの水を加えた食塩水」には公式により48gの食塩が含まれている事になります。つまり、「こぼしたのと同じ重さの水を加えたら」により食塩は42g減った事になります。この減った42gの食塩はこぼれた15%の食塩に含まれている食塩なので、整理するとこぼれた食塩水の重さは赤字で記載した通り280gと求まります
【問9】(食塩水と食塩水の交換)
15%の食塩水500gがあります。この食塩水から1部を捨て、代わりに捨てた食塩水と同じ重さの5%の食塩水を加えると13%の食塩水になりました。こぼした食塩水は何gですか?
こちらは問8とほぼ同じなので解説は省略します。答えは「100g」です
なお、(解3:公式を使った基本的な解き方)は少し難しいかもしれません。こぼした食塩水の重さを☐gまたは①gと置いて方程式をたてて解く事になります
【問10】(食塩水+食塩水)
7%の食塩水Aと2%の食塩水Bを混ぜて5%の食塩水500gができました。食塩水Aは何gですか?
この問題はつるかめ算でも解く事ができます。ぜひ挑戦してみて下さい
以下ではいつもの解1~解3を解説します
(解1:面積図を使った解き方)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「7%の食塩水Aと2%の食塩水Bを混ぜて5%の食塩水500gができました」を面積図で並べて書くと以下になります。食塩の重さにあたる部分を面積図に書く点と、横幅は食塩水の重さ、縦幅は食塩水の濃度をあらわす点はいつもと同じです
図から分かる事をどんどん書き足してみます
この図で色をつけたところの面積が等しいので、縦幅の比は2:3となり、横幅の比は「逆比」の3:2となります。Aの重さは赤字で示した部分なので300gと求まります
(解2:てんびん図を使った解き方)
「7%の食塩水A」と「2%の食塩水B」をおもりとして、てんびんの図を書きます。「各食塩水の濃度と、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度の差の比は各食塩水の重さの逆比となる」のでこれら情報を書き加えると以下のような図になります
食塩水Aの重さは図の赤字に注目し300gと求まります
てんびん図を使った解き方の詳細は省略します
(解3:公式を使った基本的な解き方)
問10は解3が一番難しいと思います。公式を使って解く場合、方程式と消去算を使う必要があります(いわゆる連立方程式です)
まず、問題文をそのまま図に書いてみます。「7%の食塩水Aと2%の食塩水Bを混ぜて5%の食塩水500gができました」をイメージ図(ビーカー図)で書くと以下のようになります
ここで、食塩水Aの重さを①g、食塩水Bの重さをgと置く事がこの問題を解くポイントとなります
公式により、食塩水Aには
の食塩が含まれ、食塩水Bには
の食塩が含まれている事になります。これらの和が混ぜた後の食塩水に含まれる食塩の重さと等しくなるので、
という式が成り立ちます。また、食塩水Aと食塩水Bを混ぜると500gになるので、
という式も成り立ちます。これら2つの式を消去算で整理してみます
消去算により整理すると①=300gとなり、食塩水Aの重さは300gである事がわかります
(解4:つるかめ算)
最後につるかめ算を使った解き方を説明します。この問題は食塩水の問題にみせかけたつるかめ算の問題と考える事ができます。気付きましたか?
問題文にだまされずに、どのように解くかを見極める事を忘れないようにしましょう
この問題は食塩水の問題と考えると難易度は高くなりますが、つるかめ算と考えると基本中の基本の容易な問題となります
まず、5%の食塩水500gに含まれる食塩の量は
500×0.05=25g
は計算で求めておきます
次に、
- 500gの食塩水の全てが食塩水Aだったら
- 500gの食塩で、400gが食塩水A、100gが食塩水Bだったら
- 500gの食塩で、300gが食塩水A、200gが食塩水Bだったら
と順に考えて表を書いてみます
はい!
いきなり答えの300gに到達できました。今回はつるかめ算をつかうまでもなく表を書くと1分くらいで答えに到達できました。今回のようにきっかり計算できない場合はつるかめ算を使う事になりますがおそらく2分くらいで答えに到達できます
この問題は食塩水の問題として考えると応用レベルの問題ですが、つるかめ算で考えると基本問題となります
食塩水の問題はたいていの場合「面積図やてんびん図」で解く事ができます
ただ、「面積図やてんびん図」を使うと問題の意味をおろそかにしがちになるので、「面積図やてんびん図」を使わずに問題の意味を理解しながら解く「基本的な解き方」は必ず理解しましょう。「面積図やてんびん図」では解けない問題が出た場合、基本的な考え方を理解しておかないと解けなくなってしまいます
今回いろいろな解き方を紹介しましたが以下の順でマスターするようにお願いしたいです
1.「基本的な解き方」を理解する(必須)
2.「基本的な解き方」を理解した上で、問題を早く解くための方法として「面積図」「てんびん図」を身につけておく
なお、面積図とてんびん図はどちらか1つを押さえておけば良いです。器用な人は両方覚えておいて損はないですが、そうでない人はあれこれ手を出すのは危険です。面積図に絞って理解を深めるのをおすすめします。てんびん図より面積図をすすめる理由は2つあります
- 面積図の方がてんびん図より多くの種類の特殊算で利用できる。どちらかに絞るのであれば面積図が良い(よけいなてんびん図は覚えない)
- (必ずしもそうとは限らないですが)てんびん図は、今回紹介した問6、7、8、9のように問題文の解釈を変えないと図をかけない問題がある
まあ、結局は好みかもしれません
頑張っていきましょう!
参考:目次
[Rev.0.01 2020/4/21]
[Rev.0.02 2021/11/21]
[Rev.0.03 2021/12/22]