kaneQの中学受験算数講座

図で考えれば中学受験算数なんて怖くない!

6-1. 過不足算(差集め算)

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[Rev.0.00 2020/4/13]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

今回から6章が始まります。6章では面積図を中心とした回答方法を学びます

 

今回のゴールは以下です
ゴール:面積図で差に注目した解法を理解する

 

本記事では、「過不足算(差集め算)」を紹介します

過不足算(差集め算)とは、数量を分配する際の差や過不足の量から全体の量等を求める問題です。過不足算と差集め算は別物なのですが、本記事では区別しません。同じと考えてもらってもよいです

 

 本記事では以下の8つの問題を紹介します

今回紹介する問題は、全て線分図でも解けるのですが面積図の勉強を進めたいので面積図に挑戦してみてください

 

【問1】(基本:あまりとちょうどの問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に10個ずつ配ると8個あまるが、1人に12個ずつ配るとちょうど分けられます。子供の人数とガムの数をもとめましょう。

 

【問2】(基本:あまりと不足がある問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に6個ずつ配ると12個あまるが、1人に8個ずつ配ると6個不足します。子供の人数とガムの数をもとめましょう。

 

【問3】(基本:どちらの配り方でもあまりがある問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に5個ずつ配ると55個あまるが、1人に9個ずつ配ると23個あまります。子供の人数とガムの数をもとめましょう。

 

【問4】(基本:どちらの配り方でも不足がある問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に10個ずつ配ると68個不足し、1人に5個ずつ配ると8個不足します。子供の人数とガムの数をもとめましょう。

 

【問5】(応用:考えるべき数が変わる問題))
1個100円のリンゴを何個か買う予定で、お金をちょうど持ってでかけましたが、1個80円だったので予定より2個多く買えて20円あまりました。持っていったお金は何円ですか?

 

【問6】(応用:配る数がちがう問題)
何人かの子どもにガムを配ります。3人に10個ずつ、4人に8個ずつ、残りの子どもには5個ずつ配ると10個あまります。全員に7個ずつ配ると3個不足します。子供の人数とガムの数をもとめましょう。

 

【問7】(応用:配る人数がちがう問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に15個ずつ配ると12個あまります。一方で2倍の人数に9個ずつ配ると6個不足します。子供の人数とガムの数をもとめましょう。子供の人数とガムの数をもとめましょう。

【問8】(応用:配る物が複数ある問題)
何人かの子どもにアメとガムを配ります。アメはガムの2倍あります。ガムを6個ずつ配ると2個余り、アメを13個ずつ配ると3個不足します。子供の人数とアメ、ガムの数をもとめましょう。


それでは問1からやっていきましょう。問1~問4は基本問題です

基本問題を解くときのポイントは以下でしたね
1.問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く
2.図に書く事で見えてくる事を図に書き足していく
3.いつのまにか問題が解けている

面積図でも上記手順で解き進める事ができます

問5~問8は応用問題です。応用問題は少し難易度が高めです。理解できない場合は、まずは基本問題のみをしっかり理解するようにしましょう。応用問題は6年生になってからでも十分です

 

本記事は面積図を使った解法を中心に説明しますが、表を使った解法も紹介しておきます。面積図は過不足に注目した解き方、表を使った解法は差に注目した解き方と言えます。問題によって向き不向きがあります。ちょっと大変ですが、両方の解法を使いこなせるようにしておくと応用力が付きますので頑張って下さい

 

また、先ほどお話ししましたが、今回取り上げる問題は線分図でも解けます。問1だけ、線分図を使った解法も紹介しておきます

 

【問1】(基本:あまりとちょうどの問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に10個ずつ配ると8個あまるが、1人に12個ずつ配るとちょうど分けられます。子供の人数とガムの数をもとめましょう。


(解1:面積図を使った解き方)
1人に配るガムの個数によってあまりがでたりでなかったりする問題です。このあまりに注目して面積図で解いてみたいと思います

まず「1人に10個ずつ配ると8個あまる」を面積図に書きましょう。子供が何人いるかわからないので☐人いるとします

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次に「1人に12個ずつ配るとちょうど分けられます」を図に書き足してみます

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最後に12個と10個の差は2個なので差の2個を図に書き足してみましょう

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赤枠で囲った部分に注目すると、2個×☐人=8個となりますので☐=4人と求まります。また、☐=4人なのでガムの数は4人×12個で48個になります

 

(解2:差に注目した解き方)
差に注目した図(表)を作成して解く方法もありますので紹介しておきます


子供が何人いるかわからないので☐人いるとします。その☐人にガムを10個ずつ配る事を「10・・・・・・・・・・・10」と書いてみます。ガムを10個ずつ配ると8個あまるので右側に「8個あまる」とメモしておきます
同様にガムを12個ずつ配る事を「12・・・・・・・・・・・12」と書いてみます。「ガムを12個ずつ配るとちょうど分けられます」はの「ちょうど分けられます」は右側に「0個あまる」とメモしておきます
次に、1人に配るガムの個数の差を「2・・・・・・・・・・・2」と書いてみます

また、☐人に配るガムの個数の差は先ほどメモした「8個あまる」「0個不足」をあわせた「8個」となるので「8」をメモしておきます

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ここで差の部分に注目します。1人に配るガムの個数の差が2で、この差を☐人分集めると全体で8個の差になるので、2個×☐人=8個となり☐=4人と求まります
また、ガムは4人に12個ずつ配るとちょうど配れるので、ガムの個数は4×12=48個と求まります

 

(解3:線分図を使用した解き方)

 線分図で解く場合、子供の数を①として考えます。子供の数を①とすると、「1人に10個ずつ配る」は⑩とあらわせるので「8個あまる」とあわせて書くと以下のようになります

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次に、「1人に12個ずつ配るとちょうど分けられます」を書き足します

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ここから何か分かるでしょうか?

⑫と⑩の差は②です。差の②を図に書き足してみましょう

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②=8となります。よって①=4となります。①は子供の数でしたね。よって子供は4人であることが分かりました。子供の数を①とした場合のガムの数が⑫なので、ガムの数は12×4=48個となります

 

【問2】(基本:あまりと不足がある問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に6個ずつ配ると12個あまるが、1人に8個ずつ配ると6個不足します。子供の人数とガムの数をもとめましょう。
この問題も面積図を使った解き方と差に注目した解き方を考えてみます


(解1:面積図を使った解き方)

まず「1人に6個ずつ配ると12個あまる」を面積図に書きましょう。子供が何人いるかわからないので☐人いるとします

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次に「1人に8個ずつ配ると6個不足します」を図に書き足してみます

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最後に8個と6個の差は2個なので差の2個を図に書き足してみましょう

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赤枠で囲った部分に注目すると、2個×☐人=18個となりますので☐=9人と求まりますね。また、☐=9人なのでガムの数は9人×6個+12個で66個になります

 

(解2:差に注目した解き方)
差に注目した解き方は図(表)のみ紹介しておきます。詳細は省略します

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【問3】(基本:どちらの配り方でもあまりがある問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に5個ずつ配ると55個あまるが、1人に9個ずつ配ると23個あまります。子供の人数とガムの数をもとめましょう。


(解1:面積図を使った解き方)

まず「1人に5個ずつ配ると55個あまる」を面積図に書きましょう。子供が何人いるかわからないので☐人いるとします

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次に「1人に9個ずつ配ると23個不足します」を図に書き足してみます

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最後に9個と5個の差は4個なので差の4個を図に書き足してみましょう

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赤枠で囲った部分に注目すると、4個×☐人=32個となりますので☐=8人と求まりますね。また、☐=8人なのでガムの数は8人×5個+55個で95個になります

 

(解2:差に注目した解き方)
差に注目した解き方は図(表)のみ紹介しておきます。詳細は省略します

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【問4】(基本:どちらの配り方でも不足がある問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に10個ずつ配ると68個不足し、1人に5個ずつ配ると8個不足します。子供の人数とガムの数をもとめましょう。


(解1:面積図を使った解き方)


まず「1人に10個ずつ配ると68個不足」を面積図に書きましょう。子供が何人いるかわからないので☐人いるとします

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次に「1人に5個ずつ配ると8個不足」を図に書き足してみます

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最後に10個と5個の差は5個なので差の5個を図に書き足してみましょう

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赤枠で囲った部分に注目すると、5個×☐人=60個となりますので☐=12人と求まりますね。また、☐=12人なのでガムの数は12人×5個-8個で52個になります

 

(解2:差に注目した解き方)
差に注目した解き方は図(表)のみ紹介しておきます。詳細は省略します

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本記事では問5以降は応用問題の扱いにしています。線分図の時に説明しましたが、応用問題では、問題文に直接書かれていない事を図に反映させる必要がありました。面積図でも同様に工夫が必要になります

 

【問5】(応用:考えるべき数が変わる問題)
1個100円のリンゴを何個か買う予定で、お金をちょうど持ってでかけましたが、1個80円だったので予定より2個多く買えて20円あまりました。持っていったお金は何円ですか?

 

問5ではどのような工夫をすれば良いでしょうか?

ヒントは「そろえる」です

問5はリンゴを買う数の予定と実際が変わっていますね。このあたりをそろえるにはどうすれば良いでしょうか。。。


(解1:面積図を使った解き方)
まずは問題文に書かれている事を図に書いてみます。「1個100円のリンゴを何個か買う予定で、お金をちょうど持ってでかけました」を面積図に書きましょう。買う予定のリンゴの数はわからないので☐個とします

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次に「1個80円だったので予定より2個多く買えて20円あまりました」を図に書き足してみます。ここでよく考えてください。買うリンゴの数を「2個多く」と考えると図を書くのが難しくなってしまいます。このようなときは無理に「2個多く」を図で表現しなくても構いません

どうするかというと、「2個多くかった」を予定とあわせて「☐個買った」にそろえて考えるのです。「2個多くかった」を「☐個買った」にそろえると、2個多く買った分はあまりの金額と考える事ができます。問5の場合、リンゴは1個80円なので、リンゴを2個買うと160円ですね。問題文に記載されている「20円あまりました」にこの160円を加えることで、リンゴを☐個買ったと考えた場合のあまりの金額の金額は180円となります

「1個80円だったので予定より2個多く買えて20円あまりました」を「1個80円でリンゴを何個か買うと180円あまりました」に置き換えて面積図につけ足してみます

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あとは、いつも通りです。最後に100円と80円の差は20円なので差の20円を図に書き足してみましょう

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赤枠で囲った部分に注目すると、20円×☐個=180円となりますので☐=9個と求まりますね。また、☐=9個なので持って行った金額は9個×100円で900円になります

 

(解2:考えるべき数が変わる問題)
解1で、「「2個多く」を図で表現しなくても構いません」としましたが、「2個多く」を考えた場合はどのような解き方になるでしょうか?みてみましょう


まずは問題文に書かれている事を図に書いてみます。「1個100円のリンゴを何個か買う予定で、お金をちょうど持ってでかけました」を面積図に書きましょう

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次に「1個80円だったので予定より2個多く買えてて20円あまりました」を図に書き足してみます。今、横幅をリンゴの個数としているので、「2個多く」の2個分は横に伸ばして図を書きましょう。そして、「20円あまりました」もそのままつけ足してみます

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この図で「持っていったお金」はどの部分になるでしょうか?

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「持っていったお金」は赤枠の部分となります。また、別の見方をすると青枠の部分とも言えます

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ここで緑枠の部分は、「80円のリンゴを☐個かった場合の余分なお金」となります。★1に注目すると★1の面積は80円×2個+20円なので180円になります。★2の面積も同じなので★2も180円ですね
そして、★2に注目すると。。。
20円×☐個=180円
なので、☐=9個という事が分かります。よって、持って行った金額は
9個×100円=900円
と求まります

 

(解3:差に注目した解き方)
差に注目した図(表)を作成して解く方法もありますので紹介しておきます
「1個100円のリンゴを何個か買う予定で、お金をちょうど持ってでかけました」について買う予定のリンゴの個数を☐とします。1個100円なので

「100・・・・・・・・・100」

と書きましょう。この場合あまりは無いので「0円あまる」と考える事ができます
次に「1個80円だったので」について☐個買ったとすると

「80・・・・・・・・・・80」

と書く事ができます。しかし、「1個80円」でリンゴを買う場合、「2個多く買えて20円あまリました」なのでこれをあまりと考えると、あまりは
80円×2個+20円=180円
となります

次に、1個100円だった場合と1個80円だった場合の差

「20・・・・・・・・・・20」

を書いてみます。また、リンゴを100円で☐個買った場合のあまりと、リンゴを80円で☐個かった場合のあまりの差を右側につけ足してみます。この場合は「180円」ですね

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ここで差の部分に注目します。リンゴを1個買った場合の差が20円で、この差を☐個分集めると全体で180円の差になるので、20円×☐個=180円となり☐=9個と求まります。また、持って行った金額は100円のリンゴを9個買う予定だったので
100円×9個=900円
と求まります

 

【問6】(応用:配る数がちがう問題)
何人かの子どもにガムを配ります。3人に10個ずつ、4人に8個ずつ、残りの子どもには5個ずつ配ると10個あまります。全員に7個ずつ配ると3個不足します。子供の人数とガムの数をもとめましょう。

 

この問題、わかるでしょうか。「何人かの子どもにガムを配る」というのは問1~問4と同じですが、子供によって配る個数が違います。一見難しく感じるかもしれませんが、ある工夫をすると簡単に解けるのです。ヒントは「そろえる」です

何をそろえるか自分で考えてから以下の説明を読んでください

 

(解1:面積図を使った解き方)
まず、「3人に10個ずつ、4人に8個ずつ、残りの子どもには5個ずつ配ると10個あまり」を「全員に配る数をそろえたらどうなるのだろうか?」と考えてみます。そろえる数は10個、8個、5個で一番少ない5個にそろえてみるのがよさそうです。全員に配る数を5個ずつとそろえると問題文は以下のように置き換える事ができます
 「3人に10個ずつ」→「3人に5個ずつ配ると15個あまる」
 「4人に8個ずつ」→「4人に5個ずつ配ると12個あまる」
 「残りの子どもには5個ずつ配ると10個あまる」はそのまま
上記をまとめると
「3人に10個ずつ、4人に8個ずつ、残りの子どもには5個ずつ配ると10個あまります」

は以下のように置き換える事ができます。
「全員に5個ずつ配ると37個あまります」

これを図に書くと

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となります。次に、「全員に7個ずつ配ると3個不足します」を書き足してみます

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最後に7個と5個の差は2個なので差の2個を図に書き足してみましょう

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赤枠で囲った部分に注目すると、2個×☐人=40個となりますので☐=20人と求まりますね。また、☐=20人なのでガムの数は20人×5個+37個で137個になります

 

(解2:差に注目した解き方)
差に注目した図(表)を作成して解く場合も同じように考えます
「3人に10個ずつ、4人に8個ずつ、残りの子どもには5個ずつ配ると10個あまります」「全員に7個ずつ配ると3個不足します」をそのまま書くとこうなります

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ここで上の列に関して「全員に配る数を5個ずつにそろたら何個あまるのだろうか?」と考えてみます。
 「3人に10個ずつ」→「3人に5個ずつ配ると15個あまる」
 「4人に8個ずつ」→「4人に5個ずつ配ると12個あまる」
 「残りの子どもには5個ずつ配ると10個あまる」はそのまま
上記をまとめると
「3人に10個ずつ、4人に8個ずつ、残りの子どもには5個ずつ配ると10個あまります」

は以下のように置き換える事ができます
「全員に5個ずつ配ると37個あまります」

となります。これを図に書くとこのようになります

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1人に配るガムの個数の差は2で、☐人にガムを配ったときの過不足の差は40なので
2個×☐人=40個
となり、
☐=20人
となります。これを上の列に当てはめるとガムの数は
20人×5個+37個=137個と求まります

 

【問7】(応用:配る人数がちがう問題)
何人かの子どもにガムを配ります。1人に15個ずつ配ると12個あまります。一方で2倍の人数に9個ずつ配ると6個不足します。子供の人数とガムの数をもとめましょう。子供の人数とガムの数をもとめましょう。

 

「何人かの子どもにガムを配る」というのは問1~問4と同じですが、「一方で2倍の人数に9個ずつ配ると6個不足します」と配る人数を変えた場合の条件が書かれています。一見難しく感じるかもしれませんが、ある工夫をすると簡単に解けるのです。ヒントは「そろえる」です

何をそろえるか自分で考えてから以下の説明を読んでください

 

(解1:面積図を使った解き方)

まず「1人に15個ずつ配ると12個あまります」を図にしてみます

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次に、「一方で2倍の人数に9個ずつ配ると6個不足します」ですが、この条件は「配る人数をそろえた場合どうなるのだろうか?」と考えてみる事にします。つまり、「2倍の人数に9個ずつ配る」のではなく、「同じ人数に18個ずつ配る」と考えるのです。すると
 「2倍の人数に9個ずつ配ると6個不足」→「1人に18個ずつ配ると6個不足」
のように置き換える事ができます。これを図に書きたすと

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最後に18個と15個の差は3個なので差の3個を図に書き足してみましょう

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赤枠で囲った部分に注目すると、3個×☐人=18個となりますので☐=6人と求まりますね。また、☐=6人なのでガムの数は6人×18個-6個で102個になります

 

(解2:差に注目した解き方)
差に注目した図(表)を作成して解く場合も同じように考えます
「1人に15個ずつ配ると12個あまります」「一方で2倍の人数に9個ずつ配ると6個不足します」をそのまま書くとこうなります

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ここで下の列に関して「配る人数をそろえた場合どうなるのだろうか?」と考えてみます。
 「2倍の人数に9個ずつ配ると6個不足」→「1人に18個ずつ配ると6個不足」
のように置き換える事ができます。これを図に書きたすと

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1人に配るガムの個数の差は3で、☐人にガムを配ったときの過不足の差は18なので
3個×☐人=18個
となり、
☐=6人
となります。☐=6人なのでガムの数は6人×18個-6個で102個になります

 

【問8】(応用:配る物が複数ある問題)
何人かの子どもにアメとガムを配ります。アメはガムの2倍あります。ガムを6個ずつ配ると2個余り、アメを13個ず配ると3個不足します。子供の人数とアメ、ガムの数をもとめましょう。

 

この問題は、問1~問4と比べると子どもに配るのはアメだけではなく「アメとガムを配ります」となっています。しかも「アメはガムの2倍あります」という条件もあります。一見難しく感じるかもしれませんが、ある工夫をすると簡単に解けるのです。ヒントは「そろえる」です

 

この問題は自分で解いてみて下さい。答えだけ教えておきます

 子供の人数:7人

アメの数:44個

ガムの数:88個

 

 

 頑張って解いてみて下さい。「そろえる」を使えば簡単にとけますよ!


どうでしたでしょうか。まずは基本問題の問1~問4は確実に解けるようにしましょう。また、基本問題が確実にとけるようになったら、問5~問8のような応用問題に取り組んでみましょう

 

基本問題と解くときのポイントは以下でしたね
1.問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く
2.図に書く事で見えてくる事を図に書き足していく
3.いつのまにか問題が解けている

こちらについては「2.事例紹介」でも説明しました。気になる人はもう一度見てみて下さい

 

また、応用問題を解く場合は問題文をそのまま図に書けないですが、「そろえる」の考え方をすると基本問題に置き換える事ができます

 

本サイトで何度か話してますが、「○○算だからこう解く」というような勉強はやめましょう。このような勉強方法をすると初めて見る問題に対応できなくなる危険性があります
今回も「この問題は過不足算だからこう解く」「この問題は差集め算だからこう解く」等と考えず、「問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く」「図に書く事で見えてくる事を図に書き足していく」を基本として考えていきましょう

 

頑張っていきましょう!

 

参考:目次

5-3. 面積図 - 標準 -

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[Rev.0.01 2020/4/9]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身に着け、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次


「面積図」の基本に引き続き、標準的な知識を身につけていきましょう
標準的な知識を身につける事で応用問題、発展問題、難問への足掛かりが整います

なお、本サイトは、中学受験の算数が苦手な人や偏差値がなかなか上がらない人に問題を解くためのノウハウを伝授する事を目的としていますが今回の記事は少し難易度が高くなっています。内容が理解できない場合は気にしなくてよいです。その場合基礎的な問題に取り組んでまずは面積図になれて下さい。基礎的な面積図が十分に理解できてから本記事の内容に取り組んでもらえればよいです。6年生になってから理解するので十分間に合うと思います

 

「標準」のゴールは以下です
ゴール:比を使った面積図を理解する


今回扱う問題は以下の2つです。まずは自分で考えてみて下さい


【問1】
自分たちが所属する宇宙基地から敵の宇宙戦艦まで、通常のパイロットでは9時間かかりますが、S少佐は3時間しかかかりませんでした。S少佐は通常の何倍のスピードを出すことができるでしょうか?


【問2】
太朗君は今いくらかのお金を持っています。毎月決まった額のおこづかいをもらいます。1か月に1000円ずつ使うと3か月でなくなってしまいます。しかし、1か月に800円ずつ使うと5か月でなくなるといいます。太朗君が今持っているお金はいくらでしょうか。


最後まで解けなくても良いです。

書けるところまで図を書いてみて下さい

それでは問題1からやっていきましょう


【問1】
自分たちが所属する宇宙基地から敵の宇宙戦艦まで、通常のパイロットでは9時間かかりますが、S少佐は3時間しかかかりませんでした。S少佐は通常の何倍のスピードを出すことができるでしょうか?

速さ、時間に関する問題という事が分かります。縦を速さ、横を時間として面積図を書いてみます。「宇宙基地から敵の宇宙戦艦まで」の距離を進むのに、「通常のパイロットでは9時間かかる」「S少佐は3時間かかる」という事なのでそれぞれ図にすると以下のようになります

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このままだと進まないので、通常のパイロットの時速を①として考えてみましょう

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ここで注意。面積図(や線分図などの図)に割合や比を書くときは普通の数量と違うので、単なる数字ではなく、丸や三角などでくるんだ数字を書くと区別がつきやすくなります

通常のパイロットの時速を①とすると敵の宇宙船まで9時間かかるので敵の宇宙船までの距離は①×9=⑨となります。S少佐の面積図でも敵の宇宙船までの距離は同じなので⑨となります

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このことから通常のパイロットの時速を①としたときのS少佐の時速を求める事ができます。わかるでしょうか

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S少佐は敵の宇宙船まで3時間かかるのでS少佐の時速は⑨÷3=③となります。通常のパイロットはの時速を①とした場合、S少佐の時速は③なので、S少佐は通常の3倍のスピードを出す事ができるという事がわかりました


この問題は、通常のパイロットのスピードを①と置く事で、通常のパイロットのスピードに対するS少佐のスピードを比の形式で求めました

線分図でも比を使った事例を紹介しましたが、面積図でも同じように比を使って面積図を理解することが重要になります。かならず身につけて下さい

なお、この問題は「逆比」という考え方が適用できます。面積図の横はばがそれぞれ9時間と3時間なので横はばを比であらわすと3:1となります。ここで、それぞれの面積が等しいので面積図の縦はばの比は横はばの比と「逆比」となり1:3となります

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面積図ではこの「逆比」を使わないと解き進めない場合があります。「逆比」の考え方も必ず身につけましょう


【問2】
太朗君は今いくらかのお金を持っています。毎月決まった額のおこづかいをもらいます。1か月に1000円ずつ使うと3か月でなくなってしまいます。しかし、1か月に800円ずつ使うと5か月でなくなるといいます。太朗君が今持っているお金はいくらでしょうか。

この問題、覚えているでしょうか?
「2. 事例紹介」で紹介した問題です

本記事では、この問題を「逆比」を使って解いてみましょう

 

問題文をそのまま図にしてみます

「太朗君は今いくらかのお金を持っています」を面積図であらわすとこうなります

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次に「毎月決まった額のおこづかいをもらいます」「1か月に1000円ずつ使うと3か月でなくなってしまいます」をつけたしてみましょう

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次に、「1か月に800円ずつ使うと5か月でなくなるといいます」を図にします。先ほどの図に付けたしても良いですが今回は別の図にしてみます

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図を書くときはそろえるところはそろえるようにしましょう。この問題の場合、面積図の底面をそろえます。また、おこづかいの金額は同じなのでこのはばもそろえましょう。このようにそろえる事で、そろえた方と逆側の差が明確になるのです

さて、左側の図では横はばが3か月で右側の図では横はばが5か月なので横はばの比は3:5ですね

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ここで「いくらかのお金」の面積は左の図でも右の図でも同じです。よって「いくらかのお金」の縦はばの比は横はばの比の「逆比」になるので5:3という事になります

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どうでしょうか、何か見えてきませんか?

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そうです。縦はばの比の差は

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となり、この部分は1か月に使うお金の差

1000円ー800円=200円

と同じなので、

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となり

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であることが分かりました。ここで左側の図に注目すると「いくらかのお金」の縦はばは、

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と求まります。よって「いくらかのお金」は

500円 × 3か月 = 1500円

と求まりました。

 

どうでしょうか。「2. 事例紹介」では同じ問題を線分図と面積図を使って解く方法を紹介しました。そのときの解き方は、1か月にもらうおこづかいの金額を求める事で「いくらかのお金」を計算しました。しかし本記事のように「逆比」をもちいる事で1か月にもらうおこづかいを求めることなく「いくらかのお金」を求める事ができてしまいました。面積図になれると本記事のレベルの問題であれば瞬殺で解く事ができるようになります

 

比を使う事で面積図の世界が広がります!


それでは、楽しんでいきましょう!

参考:目次

 

5-2. 面積図 - 基本 -

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[Rev.0.00 2020/4/8]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次


前回は「入門」として「問題文をそのまま面積図に書く感覚を身につける」に取り組みました
本記事では、「基本」として問題を解くうえで押さえておくべき事を紹介します


「基本」のゴールは以下です
ゴール:図を使って問題を解く場合のポイントを理解する

 

本記事では以下の問題を面積図で考えてみましょう


【問1】
何人かの子供にビー玉を配ります。1人に3個ずつ配ると18個あまりますが、1人に5個ずつ配るとちょうど分けられます。子供は何人いるでしょうか。

【問2】
1個20円のアメと1個30円のガムを合わせて20個買いました。合計で520円はらいました。アメとガムはそれぞれ何個買ったでしょうか?


両方とも基礎的な問題です


【問1】
何人かの子供にビー玉を配ります。1人に3個ずつ配ると18個あまりますが、1人に5個ずつ配るとちょうど分けられます。子供は何人いるでしょうか。

「何人かの子供」「1人にビー玉を3個ずつ配る」を面積図の形式で書くとこうなります。子供の数はわからないので☐としました

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次に「18個あまります」をつけ足してみましょう

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ビー玉の全体の数は赤枠で囲った部分になります

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この問題を解くのに「ビー玉全体の数」を意識する必要はないのですが、面積図を理解する意味で「ビー玉全体の数」も意識しておいてください

次に、「1人に5個ずつ配るとちょう分けられます」を書き足すとこのようになります

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「1人にビー玉を3個ずつ配る」を18個あまり、「1人に5個ずつ配る」とちょうど分けられるという内容が面積図により分かり安く整理できました

 

ここからどうやって問題を解くか?

少し考えてみて下さい

 

線分図と同じく、図からわかる事を図に書き足してみましょう。5個と3個の差分は2個ですね。この差分の2個を図に書き足してみます

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どうでしょうか。見えてきたでしょうか?

わからない人のためにポイントとなる部分の図を抜き出して書くとこのようになります

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もうわかりますね。2個 × ▢人が18個なので、☐=9つまり子供は9人いる事が分かります

 

解き方の流れは線分図と同じです。まず問題文を先頭から順にそのまま図に書きました。次に、図から分かる事を図に書き足しました。面積図でもこのステップが適用できる事がわかりましたね


【問2】
1個20円のアメと1個30円のガムを合わせて20個買いました。合計で520円はらいました。アメとガムはそれぞれ何個買ったでしょうか?

この問題はいわゆる鶴亀算(つるかめざん)とよばれる問題です。先ほどと異なり今度はアメとガムの2つの量を考える必要があります。しかし、難しく考える事はありません。入門編で説明しましたが、2つの量をそれぞれ分けて図に書けば良いのです

「20円のアメ」「30円のガム」「合わせて20個」を分けて書いてみます

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「合計で520円」は以下の図の赤枠で囲った部分である事は理解できるでしょうか

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「20円のアメ」の四角は20円のアメを何個か買った料金です。「30円のガム」の四角は30円のガムを何個か買った料金です。なので、これらを足した赤枠の部分が「合計で520円」となるのです

さて、図から分かる事を書き足していきましょう

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アメの個数、ガムの個数はわかりませんが全体の個数が分かってます。アメが1個20円で全体の個数が20個なので緑線で囲った部分は20円×20個で400円である事が分かります。ここで、合計が520円なので。。。

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青線で囲った部分が520円―400円で120円である事が分かります
ここで、青線で囲った部分の縦の量を考えてみましょう。ガムが1個30円でアメが1個20円なので青線で囲った部分の縦の量は30円-20円で10円となります。さらにガムの個数を☐として図に書き足してみましょう

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どうでしょうか。見えてきたでしょうか?

わからない人のためにポイントとなる部分の図を抜き出して書いてみます

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もうわかりますね。10円 × ☐個が120円なので、☐=12つまりガムの個数は12個だという事が分かりました。まだ終わりではありません。アメの数は何個になるでしょうか。こちらは簡単です。合計が20個なのでアメの数は20-12で8個となります

 

この問題も解き方の流れは同じです。まず問題文を先頭から順にそのまま図に書きました。次に、図から分かる事を図に書き足しました

 

さて、上ではまずガムの数を☐として求めました。逆にアメの数から求める事もできます。まず1個30円のガムが20個あった場合を考え、合計の520円との差分を考える事でアメの数を☐と置いて解く事もできるのです。細かい説明は省略しますが、このように考えた場合の完成図は以下のようになります

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ポイントとなる部分を抜き出すとこのようになります

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10円 × ☐=80円なので☐は8、つまりアメの個数が8となります。ガムの個数は20-8で12個です

 

解き方は何通りもある事が分かります。これは線分図や面積図に限ったはなしではありません。算数の問題の解法は何通りもあるのが普通です。余裕があれば解けた問題でも「他に解法はないか」を考えるようにすると良いでしょう。いろいろな解法を考えると、入試本番でも最初の解放でうまくいかない時にすぐに別の解法を思いつく事ができるようになるからです


ところで、面積図を書くうえで重要となるポイントがあります

算数が得意な子は無意識でできている事ですが、算数が苦手!図が書けない!図を書いても解き方が分からない!という子は面積図を書くうえでのポイントを身につけていない可能性があります0

「なにやらたいそうな事を覚えないといけないようだ」と感じないでください。難しくありません。一体どういう内容でしょうか?今回書いた図を見直してみます。まず、2つの量をそれぞれ分けて図に書きました。それ以外に気づく事はあるでしょうか

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何気なく図を書きましたが、「四角形のはしをそろえている」「そろえたほうと逆側で差を考えている」となっています。面積図は普通に書くとこうなりますが、「複数の量を扱う場合は分けて図を書く」「四角形のはしをそろえている」「そろえたほうと逆側で差を考える」は必ず守るようにしましょう

参考ですが、今回の問題の別の書き方を紹介しておきます。まず、面積図を上側でそろえる場合の例です

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次に、面積図を左側でそろえる場合の例です

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どのような書き方でもよいですが、「分ける」「そろえる」「そろえたほうと逆側で差を考える」がポイントになります


実際には、初めて問題に向き合ったときにいきなり正解の図がかけるとは限りません。むしろ、正解の図が書けない事が多いはずです

いきなり正解の図がかけない事は当たり前と思ってください。だれでもそうです

問題を見たらまずどんな図でもよいので手を動かしてみましょう。そしてうまく整理できなかったらすぐに別の図を書いてみましょう

別の図を書くときはわける、そろえるを意識しすると良いです。
面積図以外の図をかいてみるのも良いです

正解図は1つではありません。

ここまで見てきた「算数は図で考える」のポイントをまとめます


問題を解くポイント

1.問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く
2.図に書く事で見えてくる事を図に書き足していく
3.いつのまにか問題が解けている

 

こちらについては「2.事例紹介」でも説明しました。気になる人はもう一度見てみて下さい


「そのまま図に書く」ときのポイント

数量を比べたり整理するために

1.わける

2.そろえる

 面積図の場合:四角形のはしをそろえる

3.差はそろえた方と逆側で考える


解く力を伸ばすためのポイント

1.とにかく図を書く(図を書いて書いて書きまくる)

2.書いた図が分かりにくかったらすぐに別の図を書く

 分ける、そろえるを使ってみる

 線分図等の他の表現方法をつかってみる

 

それでは、頑張りましょう!

 

参考:目次

 

5-1. 面積図 - 入門 -

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[Rev.0.00 2020/3/22]

 

こんにちは、kaneQです

 

「算数は図で考える」を身に着け、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

これから「面積図」の学習をスタートします

とりあえず、「入門」「基本」「標準」に分けて進めます。今回は「入門」です

「入門」のゴールは以下です


ゴール:問題文をそのまま面積図に書く感覚を身につける

 

【はじめに】
文章題を解くためには、足し算、引き算、かけ算、わり算、少数、分数、比、割合等の知識だけでなく、「図を書く力」が大事だという事を学んできました。図を書く事で数量の関係を明確にし、解くための式が導けるようになります。算数が得意な子は、例外なく「図を書く力」が身についているのです

今回は、「線分図」に引き続き、応用範囲の広い面積図を理解する事にします

 

【面積図とは】
ところで面積図って何でしょう?

面積図とは、2つの数をかけて求める数量を四角形の面積で表した図の事です。面積図で扱う数量は、距離、食塩の量、足の数、日数などなんでもよいです
面積図=数量を表す図
くらいに覚えておくと良いでしょう

 

算数の問題を解くときは、「問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く」を意識してください。とはいえ、初めは、「そのまま図に書く」ができないかもしれません

本記事では入門編として、超簡単な問題から入っていきたいと思います。以下のそれぞれを面責図であらわしてみましょう


【問1】
3×4= □

【問2】
7×□=35

【問3】

6人にビー玉を3個ずつ配るとき、ビー玉は何個必要ですか?

【問4】
時速40kmで車を3時間運転すると何km進みますか?

【問5】
7%の食塩水が1500mlあります。この食塩水には食塩は何グラム溶けていますか?

 【問6】
ツルが2羽、カメが3匹います。合計で何匹いるでしょう。また、足の数の合計は何本ですか?

 

それでは順番にやってみましょう

 

【問1】
3×4= □

分かるでしょうか。難しく考える必要はありません。3という数、4という数を四角形の縦と横に書いてみましょう

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これだけです。四角形の面積は縦×横なので□は四角形の面積ということが良く分かります

□=12

となります。わざわざ図にするまでもないかもしれませんが、面積図ってこんなもんです

 

【問2】
7×□=35

 次はこれを線分図であらわしてみましょう。これも同じです。7という数と□という数を四角形の縦と横に書いてみましょう

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これだけです。そして、7と□をかけたのが四角形の面積であり35なので

□=35÷7=5

となります。図に書くと数量どうしの関係がよくわかるようになると思いませんか?

 

【問3】

6人にビー玉を3個ずつ配るとき、ビー玉は何個必要ですか?

少し問題の形式がかわりました。しかし考え方は同じです。6人と3個を四角形の縦横に書いてみます

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こうなります。四角形の面積は、「必要なビー玉の数」と意味が等しいという事がよくわかりますね。答えはいうまでもなく

6×3=18(個)

となります。面積図のイメージがわいてきたでしょうか?

 

【問4】
時速40kmで車を3時間運転すると何km進みますか?

こちらも同じく面積図であらわしてみましょう、時速40Kmで3時間進む距離は

距離=時速×時間

なので同じく面積図であらわせます

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進んだ距離は40×3=120kmという事を見える化できました

 

【問5】
7%の食塩水が1500mlあります。この食塩水には食塩は何グラム溶けていますか? 

もう説明するまでもないと思います。「7%の食塩水」「食塩水が1500ml」の食塩の量は濃度と食塩水の量をかければもとまるので面積図であらわせますね。7%を比であらわすと0.07なので、、、

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このようになります。食塩の量は0.07×1500で105gという事を見える化できました

 

【問6】
ツルが2羽、カメが3匹います。合計で何匹いるでしょう。また、足の数の合計は何本ですか?

今度は、面積図を書く対象がツルとカメの2種類になりました。しかし悩む必要はありません。それぞれを面積図で書いて並べるだけで良いのです

ツルに関しては2本と2羽を四角形の縦横に書いてみます。カメに関しても4本と3匹を四角形の縦横に書いてみます。すると以下のような図が書けます

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「合計で何匹いるか」は2+3=5で5匹となります

「足の数の合計」はツルの足が2×2で4本、カメの足が4×3で12本なのであわせると4+12で16本ですね

このように図を書く対象が複数になった場合は面積図も複数にして並べる事で全体像が見えやすくなるのです

 

ところで、合計の足の数ですが他にも求める方法が少なくとも2通りあります。わかるでしょうか?四角形の面積の問題として求めていくのです

 

まず1つ目の方法です

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赤枠で囲った部分の面積を①とすると①は2×5で10となります。また、青枠で囲った部分の縦の大きさはカメのあしが4本でツルの足が2本なのでこの差となり4-2で2となります。よって青枠で囲った部分の面積を②とすると②は2×3で6となります。合計の足の数は①と②の合計なので10+6となり16本という事がわかります

2つ目の方法です

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赤枠で囲った部分の面積を①とすると①は4×5で20となります。また、青枠で囲った部分の縦の大きさはカメのあしが4本でツルの足が2本なのでこの差となり4-2で2となります。よって青枠で囲った部分の面積を②とすると②は2×2で4となります。合計の足の数は①と②の差なので20-4となり16本という事がわかります

 

このように面積の合計を求める方法は何通りかあります。問題で与えられた条件を使ってどのように面積を求めていくかが面積図の醍醐味となります。面積の求め方は1つではなく複数あるという事を頭の片隅に入れておいてください
 

さて、今回の目的は「問題文をそのまま面積図に書く感覚を身につける」でした。「そのまま図に書く」ということはどういうことかわかったでしょうか

「そのまま図に書く」は訓練が必要です。すんなり身につけば良いです。そうでない人は、文章題に限らず1行問題等でも「図にかけるものはどんどん図を書く」という練習をしてみましょう

 

面積図をマスターすると、世界が広がります!問題が早くとけるようになります!

 

次回は、面積図を使用して答えを導く具体例の紹介と、もう少し複雑な面積図の紹介をしたいと思います。楽しみにしていて下さい

 

【おまけ】

面積図について少し気を付けて欲しいポイントがあります

線分図は文章題を理解しやすく整理するために使います(理解しやすく整理する事を「見える化する」とか「可視化する」ともいいます)。問題によっては「線分図を使って問題文を見える化する」がほぼ必須になることもあります

一方、面積図は問題文を見える化する手段としても使いますが、見える化する事よりも問題を速く解くための手段として使う意味の方が大きいと言えます。悪い言い方をすると、面積図は問題を早く解くための単なるテクニックなのです

面積図は濃度算や鶴亀算を解く時に使う事が多く、面積図を使う事であっという間に答えを導く事ができてしまいます。しかし少し複雑な問題になると面積図では逆にむずかしくなってしまったり、解けない事があるのです

面積図を身につけると、今まで考えもつかなかった解き方に感動し、なんでもかんでも面積図で解こうとしてしまいます。そして、問題文の意味の理解が不十分なまま問題を解く事になれてしまう事があります。実際に、面積図の図がかけてしまうと、問題文の意味を理解しなくても答えを導く事ができてしまうのです

このように、面積図は非常に便利なテクニックであるとともに、非常に危険な考え方と言えるのです。面積図を過信すると算数の論理性が身につかず、成績も伸び悩む事になります。なので、

「面積図で解ける問題も、オーソドックスな解き方でも解けるように練習」

して下さい。その上で、

「面積図は問題を早く解くためのテクニックとわり切って使う」

ようにしましょう!

 

参考:目次

 

4-3. 相当算

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[Rev.0.00 2020/3/20]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

本記事では、「相当算」を紹介します。「相当算」はあまり注目されてませんが、実は線分図を使う特殊算の中で非常に重要な分野なのです。相当算の考え方は年齢算、仕事算などのいろいろな特殊算に応用されているので確実に理解しましょう

 

 今回のゴールは以下です


ゴール:比を使って数量を求める方法をマスターする

 

必要な知識:倍数計算、比の概念

 

相当算とは、元にする量の何割かに相当する量が与えられ(または求め)、何割かに相当する量から元にする量を求める問題です。まず練習問題をといてみましょう

 

【練習問題】
ある本があります。20%に相当するページ数は30ページです。この本は何ページあるでしょうか?

 

「20%に相当するページ数は30ページ」を全体を①として線分図を書くと以下のようになります

 f:id:kaneQ:20200317154339p:plain

よって、

①=30÷0.2=150(ページ)

となり、この本は150ページある事がわかります

 

このように、元にする量の何割かに相当する量が与えられ(または求め)、何割かに相当する量から元にする量を求める問題を相当算と言います

 

本記事では以下4つの問題を解いてみましょう

 

【問1】(基本:残りの量からもとに相当する量を求める)
ある本を、全体の5/9より10ページ少なく読んだら残りが170ページになりました。この本は何ページあるでしょう

 

【問2】(基本:増えたあとの量からもとに相当する量を求める)
たろう君は、初めに持っていたお金の1/8をもらい、持っているお金が1800円になりました。たろう君が初めにもっていたお金はいくらですか?

 

【問3】(基本:分かっている数量の和からもとに相当する量を求める)
持っているお金の1/4より600円多い金額で牛肉を買い、1/5より500円多い金額で豚肉を買うと、ちょうど持っているお金になります。牛肉はいくら買いましたか?

 

【問4】(基本:分かっている数量の差からもとに相当する量を求める)
あるクラスの男子はクラス全体の1/4より10人多く、女子はクラス全体の2/3より7人少ないです。このクラスの男子は何人ですか?
 

それではまず問1に挑戦しましょう

【問1】(基本:残りの量からもとに相当する量を求める)
ある本を、全体の5/9より10ページ少なく読んだら残りが170ページになりました。この本は何ページあるでしょう

まず、問題文をそのまま線分図に書いてみましょう。全体の量を①とし、「全体の5/9より10ページ少なく読んだら残りが170ページ」をそのまま書くと以下になりますね

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いつものように、ここからさらにわかる事を全て図に書いてみます。何が見えてくるでしょうか?

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全体の4/9に相当するページ数が160ページという事がわかりますね。よって、全体の①は

160÷4/9=160×9/4=360(ページ)

となり、この本は360ページであることが分かりました

 

元にする量を①と置く事がこの問題のポイントとなります

 

【問2】(基本:増えたあとの量からもとに相当する量を求める)
たろう君は、初めに持っていたお金の1/8をもらい、持っているお金が1800円になりました。たろう君が初めにもっていたお金はいくらですか?

 問題文をそのまま線分図に書いてみましょう。初めに持っていたお金を①とし、「初めに持っていたお金の1/8をもらい、持っているお金が1800円になりました」をそのまま書くと以下になりますね

f:id:kaneQ:20200317165555p:plain

いつものように、ここからさらにわかる事を全て図に書いてみます。何が見えてくるでしょうか?

f:id:kaneQ:20200317165634p:plain

全体の9/8に相当するページ数が1800円という事がわかりますね。よって、全体の①は

1800÷9/8=1800×8/9=1600(円)

となり、たろう君ははじめ1600円もっていたことが分かりました

 

問1と同じく、元にする量を①と置く事がこの問題のポイントとなります

 

【問3】(基本:分かっている数量の和からもとに相当する量を求める)
持っているお金の1/4より600円多い金額で牛肉を買い、1/5より500円多い金額で豚肉を買うと、ちょうど持っているお金になります。牛肉はいくら買いましたか?

問題文をそのまま図に書いてみます。「1/4より600円多い金額で牛肉を買い」「1/5より500円多い金額で豚肉を買う」を図にすると以下のようになります。全体の量を①とする事を忘れないようにしましょう

f:id:kaneQ:20200320103605p:plain

少し整理すると以下のようになります

f:id:kaneQ:20200320103709p:plain

「分かっている数量」は600と500の和で「1100円」です。これに該当する量は全体から1/4と1/5を引いた11/20である事がわかります。よって①に相当する金額は

1100÷11/20=1100×20/11=2000(円)

と求める事があります。「牛肉はいくら買いましたか?」と問われているので

2000×1/4+600=1100円

となります

 

(別解)複数本の線分図を使う考え方

今回は牛肉と豚肉だけだったので1本の線分図でも整理しやすかったですが、とり肉や魚などの条件が増えた場合1本の線分図ではわかりにくい場合があります。そのような事を想定すると、複数の線分図を書いてみる解法も知っておくと良いでしょう

本問題は牛肉と豚肉なので2本の線分図を使う事になります

 問題文をそのまま図に書いてみます。「1/4より600円多い金額で牛肉を買い」「1/5より500円多い金額で豚肉を買う」をそれぞれ図にすると以下のようになります。

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ここで全体の量を①とするとこのように考えることができます

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 上の図を分数の部分と金額の部分に分けて1本の線分図にまとめると以下のようになります

f:id:kaneQ:20200320102640p:plain

「分かっている数量」は600と500の和で「1100円」です。これに該当する量は全体から9/20を引いた11/20である事がわかります。よって①に相当する金額は

1100÷11/20=1100×20/11=2000(円)

と求める事があります。「牛肉はいくら買いましたか?」と問われているので

2000×1/4+600=1100円

となります

 

結局1本の線分図にまとめるので「初めから1本の線分図でいいじゃないか」と思うかもしれません。ただ、条件が3つ4つあるいはそれ以上になった場合に上図のような図をいきなり書くのは慣れが必要です。慣れている人でも間違う可能性もあります。少なくともはじめのうちはまずは複数の図を書いてから整理するくせをつけておく事をおすすめします。ケアレスミスがいっこうに減らない」と悩んでいる人には効果があると思います

【問4】(基本:分かっている数量の差からもとに相当する量を求める)
あるクラスの男子はクラス全体の1/4より10人多く、女子はクラス全体の2/3より7人少ないです。このクラスの男子は何人ですか?

この問題も問題文をそのまま図に書いていく事で答えが導かれます。ただ、少し図が複雑になります。まずは自分で考えてみて下さい

 

どうでしょうか。わかりましたか?

完成図を紹介しておくと以下のようになります

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難しいと感じる人もいるかもしれません。でも大丈夫です。簡単です。初めから順に書き足してみましょう

まず準備として、全体を①とし男子と女子を線分図に書くと以下のようになります。ここで男子と女子の割合は気にせずてきとうに書いてみましょう

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次に「男子はクラス全体の1/4より10人多く」を書き足してみます。そのまま書き足せばよいです。具体的には以下の青色の部分となります

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同じように「女子はクラス全体の2/3より7人少ない」を書き足してみます。具体的には以下の赤色の部分となります

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この図をよく見て、さらにわかる事を書き足してみます。10人と7人の差が3人である事がわかります(わかっている数量の差)。この「3人」は全体から1/4と2/3を引いた1/12に相当する事もわかりますね。これらを図に書きたすと以下になります

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はじめに紹介した図の完成です。少しずつ図を書き足していけば確実にこの図に到達できます。あせらずに考えましょう

さて、「3人」が1/12に相当するので全体の①は

①=3÷1/12=36(人)

とわかります。問われているのは「このクラスの男子は何人ですか?」なので

(男子)=36×1/4+10=19(人)

 と求めることができました

 

普段意識する事は無いと思います。意識する必要もありません。ですが、「相当算」は非常に重要です。本記事の内容は確実に理解して使いこなせるようにしてください

 

それでは頑張りましょう!

 

参考:目次

 

 

4-2. 年齢算

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[Rev.0.00 2020/3/16]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

本記事では、「年れい算」を紹介します

今回のゴールは以下です


ゴール:「年れい算」を線分図で解いてみる、過去と未来を線分図で表現できるようにする

 

必要な知識:倍数計算、比の概念

 

年れい算とは、母と子の年れいを比べてそれぞれの年れいを求めるといったような問題です

現在の年れいだけではなく過去や未来の年れいや母が子の何倍の年れいなのか等の条件を整理して解き進める必要があります

本記事では以下の3つの問題を解いてみましょう。問1と問2は「3-3.線分図 - 標準 -」の再掲です

 

【問1】(基本)
今、たろう君とお父さんの年れいの和は50才です。お父さんの年れいはたろうくんの年れいの4倍です。今のたろう君とお父さんはそれぞれ何才でしょう。

【問2】(基本)
今、たろう君は10才でお父さんは40才です。お父さんの年れいがたろう君の年れいの3倍になるのは何年後でしょう。

【問3】(基本)
現在の父と娘の年れいの合計は49才で、7年前は父は娘の年齢の6倍でした。父が娘の年齢の2倍になるのは何年後でしょう。

 

 

それでは問1からやっていきましょう

 

【問1】(基本:基準となる比の大きさを求める
今、たろう君とお父さんの年れいの和は50才です。お父さんの年れいはたろうくんの年れいの4倍です。今のたろう君とお父さんはそれぞれ何才でしょう。

二人の年齢を比較すると分かりやすそうなので、2本の線分図にしてみます

まず「たろう君とお父さんの年れいの和は50才です」を線であらわしてみましょう

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ここまでは大丈夫と思います。ただそのまま書けば良いです。ただし、線の書きはじめはそろえましょう

次に「お父さんの年れいはたろうくんの年れいの4倍です」を書き足してみます

ここで注意。線分図(や面積図などの図)に割合や比を書くときは普通の数量と違うので、単なる数字ではなく、丸や三角などでくるんだ数字を書くと区別がつきやすくなります

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上の図では「4倍」を表すために数字の4を丸でかこってみました。たろう君が①なのに対して、お父さんが④なので「お父さんの年れいはたろうくんの年れいの4倍です」を表すことができましたね!

さあ、気づくことがあるでしょうか?

そうです。たろう君の①とお父さんの④をあわせると⑤になり、あわせた⑤が50才です。つまり

 ⑤=50才

が成り立ちますね。なので、⑤を5でわると①になり

 ①=50÷5=10才

となります。よって、たろう君は10才です。そしてお父さんは④なので

 ④=10×4=40才

となります。たろう君とお父さんを足すと10+40=50才になります。また、お父さん(40才)はたろう君(10才)の4倍ですね。よって、問題の条件とあった事が確認できました。これで正解です!

 

【問2】(基本:基準となる比の大きさを求める、未来の年れいを考える)
今、たろう君は10才でお父さんは40才です。お父さんの年れいがたろう君の年れいの3倍になるのは何年後でしょう。

二人の年齢を比較すると分かりやすそうなので、2本の線分図にしてみます

まず「たろう君は10才でお父さんは40才です」を線であらわしてみましょう

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次に、「お父さんの年れいがたろう君の年れいの3倍になるのは何年後」を書き足してみます。何年後かを□であらわして□の分線を伸ばします

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ここでは、たろう君とお父さん両方が同じ□伸びる事になります。差はそろえた方と逆側にあらわしていますが、□分伸ばすのはそろえた側にしましょう。こうする事で差が分かりやすいままになります

この図を見て何か分かってくる事はありませんか

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分かりやすいように青い線を書き足して長さをそろえてみます。長さをそろえた部分に太朗君とお父さんの年の差と比の差を書いてみます。

たろう君とお父さんの年の差は30才ですね。また、たろう君とお父さんの年の比の差は②になります

②=30才という事が分かりますね。だから①は30÷2で15才となります

たろう君の線の①の部分が15才なので、□は15-10で5。つまり5年後となります

 

問1も問2も比を使って解く問題です。線分図を書く事で比の大きさと実際の数量の関係がわかってきます。そして比の大きさと数量の関係を用いて答えを導いていく事になります

 

【問3】(基本:基準となる比の大きさを求める、過去と未来の年れいを考える)
現在の父と娘の年れいの合計は49才で、7年前は父は娘の年齢の6倍でした。父が娘の年齢の2倍になるのは何年後でしょう。

二人の年齢を比較すると分かりやすそうなので、2本の線分図にしてみます

まず「現在の父と娘の年れいの合計は49才」を線であらわしてみましょう

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次に「7年前は父は娘の年齢の6倍でした」の条件を書き足してみます

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「7年前」なので線分を短くしたところにしるしをつけます。ここで、「線分の左側を7年分短くする」「線分の右側を7年分短くする」の2通り考えられますが、線をそろえている「線分の左側を7年分短くする」を選ぶようにしましょう

そして、しるしをつけたところから、娘を①とすると父は6倍なので⑥になります

ここから基準となる①の量を求めていきます。この図から分かることをすべて図に書きこんでみましょう

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赤枠で囲った部分は35才の量である事が分かります。また比の量であらわすと⑥と①をあわせた⑦になります。よって⑦=35才となり①が5才分の量であることが分かります。①が5才に相当するので、

父:7+5×6=37才

娘:7+5×1=12才

ですね。これを図に書くと以下のようになります

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残念ですがここで終わりではないです。求められているのは「父が娘の年齢の2倍になるのは何年後でしょう」でしたね。もう少しがんばりましょう

上の図に、「何年後」「父が娘の年齢の2倍」の条件を書き足してみましょう

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いつものように、ここから分かる事をすべて図に書きこんでみます。線分の長さの違いに注目して考えましょう

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すると、線分の差は37-12=25才の量であり、また比で考えると②-①で①になります。よって、①=25才であることがわかりました

ここで、娘の図に注目してください。①が25才なので

□=25-12=13年

となります。これが答えです

少し長くなりましたが、問3には以下のポイントが全てつまっています。

・倍数/比の概念

・過去の年齢の関係

・未来の年齢の関係

問3は確実にとけるようにしてください。このような基本問題を確実に解けるようにする事で、文章題の応用問題、発展問題を解く力の土台ができていきます

 

頑張っていきましょう!

 

参考:目次

 

 

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こんにちは、kaneQです

 

順次新しい記事を書いていきます。以下は目次です。記事があるものはリンクを貼りました

 

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 【本編】

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