kaneQの中学受験算数講座

図で考えれば中学受験算数なんて怖くない!

4-2. 年齢算

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[Rev.0.00 2020/3/16]

 

こんにちは、kaneQです


「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

本記事では、「年れい算」を紹介します

今回のゴールは以下です


ゴール:「年れい算」を線分図で解いてみる、過去と未来を線分図で表現できるようにする

 

必要な知識:倍数計算、比の概念

 

年れい算とは、母と子の年れいを比べてそれぞれの年れいを求めるといったような問題です

現在の年れいだけではなく過去や未来の年れいや母が子の何倍の年れいなのか等の条件を整理して解き進める必要があります

本記事では以下の3つの問題を解いてみましょう。問1と問2は「3-3.線分図 - 標準 -」の再掲です

 

【問1】(基本)
今、たろう君とお父さんの年れいの和は50才です。お父さんの年れいはたろうくんの年れいの4倍です。今のたろう君とお父さんはそれぞれ何才でしょう。

【問2】(基本)
今、たろう君は10才でお父さんは40才です。お父さんの年れいがたろう君の年れいの3倍になるのは何年後でしょう。

【問3】(基本)
現在の父と娘の年れいの合計は49才で、7年前は父は娘の年齢の6倍でした。父が娘の年齢の2倍になるのは何年後でしょう。

 

 

それでは問1からやっていきましょう

 

【問1】(基本:基準となる比の大きさを求める
今、たろう君とお父さんの年れいの和は50才です。お父さんの年れいはたろうくんの年れいの4倍です。今のたろう君とお父さんはそれぞれ何才でしょう。

二人の年齢を比較すると分かりやすそうなので、2本の線分図にしてみます

まず「たろう君とお父さんの年れいの和は50才です」を線であらわしてみましょう

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ここまでは大丈夫と思います。ただそのまま書けば良いです。ただし、線の書きはじめはそろえましょう

次に「お父さんの年れいはたろうくんの年れいの4倍です」を書き足してみます

ここで注意。線分図(や面積図などの図)に割合や比を書くときは普通の数量と違うので、単なる数字ではなく、丸や三角などでくるんだ数字を書くと区別がつきやすくなります

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上の図では「4倍」を表すために数字の4を丸でかこってみました。たろう君が①なのに対して、お父さんが④なので「お父さんの年れいはたろうくんの年れいの4倍です」を表すことができましたね!

さあ、気づくことがあるでしょうか?

そうです。たろう君の①とお父さんの④をあわせると⑤になり、あわせた⑤が50才です。つまり

 ⑤=50才

が成り立ちますね。なので、⑤を5でわると①になり

 ①=50÷5=10才

となります。よって、たろう君は10才です。そしてお父さんは④なので

 ④=10×4=40才

となります。たろう君とお父さんを足すと10+40=50才になります。また、お父さん(40才)はたろう君(10才)の4倍ですね。よって、問題の条件とあった事が確認できました。これで正解です!

 

【問2】(基本:基準となる比の大きさを求める、未来の年れいを考える)
今、たろう君は10才でお父さんは40才です。お父さんの年れいがたろう君の年れいの3倍になるのは何年後でしょう。

二人の年齢を比較すると分かりやすそうなので、2本の線分図にしてみます

まず「たろう君は10才でお父さんは40才です」を線であらわしてみましょう

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次に、「お父さんの年れいがたろう君の年れいの3倍になるのは何年後」を書き足してみます。何年後かを□であらわして□の分線を伸ばします

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ここでは、たろう君とお父さん両方が同じ□伸びる事になります。差はそろえた方と逆側にあらわしていますが、□分伸ばすのはそろえた側にしましょう。こうする事で差が分かりやすいままになります

この図を見て何か分かってくる事はありませんか

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分かりやすいように青い線を書き足して長さをそろえてみます。長さをそろえた部分に太朗君とお父さんの年の差と比の差を書いてみます。

たろう君とお父さんの年の差は30才ですね。また、たろう君とお父さんの年の比の差は②になります

②=30才という事が分かりますね。だから①は30÷2で15才となります

たろう君の線の①の部分が15才なので、□は15-10で5。つまり5年後となります

 

問1も問2も比を使って解く問題です。線分図を書く事で比の大きさと実際の数量の関係がわかってきます。そして比の大きさと数量の関係を用いて答えを導いていく事になります

 

【問3】(基本:基準となる比の大きさを求める、過去と未来の年れいを考える)
現在の父と娘の年れいの合計は49才で、7年前は父は娘の年齢の6倍でした。父が娘の年齢の2倍になるのは何年後でしょう。

二人の年齢を比較すると分かりやすそうなので、2本の線分図にしてみます

まず「現在の父と娘の年れいの合計は49才」を線であらわしてみましょう

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次に「7年前は父は娘の年齢の6倍でした」の条件を書き足してみます

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「7年前」なので線分を短くしたところにしるしをつけます。ここで、「線分の左側を7年分短くする」「線分の右側を7年分短くする」の2通り考えられますが、線をそろえている「線分の左側を7年分短くする」を選ぶようにしましょう

そして、しるしをつけたところから、娘を①とすると父は6倍なので⑥になります

ここから基準となる①の量を求めていきます。この図から分かることをすべて図に書きこんでみましょう

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赤枠で囲った部分は35才の量である事が分かります。また比の量であらわすと⑥と①をあわせた⑦になります。よって⑦=35才となり①が5才分の量であることが分かります。①が5才に相当するので、

父:7+5×6=37才

娘:7+5×1=12才

ですね。これを図に書くと以下のようになります

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残念ですがここで終わりではないです。求められているのは「父が娘の年齢の2倍になるのは何年後でしょう」でしたね。もう少しがんばりましょう

上の図に、「何年後」「父が娘の年齢の2倍」の条件を書き足してみましょう

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いつものように、ここから分かる事をすべて図に書きこんでみます。線分の長さの違いに注目して考えましょう

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すると、線分の差は37-12=25才の量であり、また比で考えると②-①で①になります。よって、①=25才であることがわかりました

ここで、娘の図に注目してください。①が25才なので

□=25-12=13年

となります。これが答えです

少し長くなりましたが、問3には以下のポイントが全てつまっています。

・倍数/比の概念

・過去の年齢の関係

・未来の年齢の関係

問3は確実にとけるようにしてください。このような基本問題を確実に解けるようにする事で、文章題の応用問題、発展問題を解く力の土台ができていきます

 

頑張っていきましょう!

 

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