kaneQの中学受験算数講座

図で考えれば中学受験算数なんて怖くない!

3-2. 線分図 - 基本 -

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[Rev.1.04 2020/4/8]


こんにちは、kaneQです

 

「算数は図で考える」を身につけ、算数の成績を伸ばしましょう

 

参考:目次

 

前回は「入門」として「問題文をそのまま線分図に書く感覚を身につける」に取り組みました
本記事では、「基本」として問題を解くうえで押さえておくべき事を紹介します

 

「基本」のゴールは以下です
ゴール:図を使って問題を解く場合のポイントを理解する

 

【問1】
赤と青のリボンがあわせて15mあります。青いリボンは赤いリボンより3m長いそうです。赤と青のリボンはそれぞれ何mですか?

前回紹介した問題です。もう一度考えてみましょう。前回は以下のような線分図を書きました

【問1の解1】

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これも間違いではありません。ですが、問1をもう少し複雑にした問2を1本の線分図で書くとどうなるでしょうか?

 

【問2】

赤と青と黄のリボンがあわせて15mあります。青いリボンは赤いリボンより3m長いそうです。黄色いリボンは赤いリボンより6m長いそうです。赤と青と黄色のリボンはそれぞれ何mですか?

問1と同じように1本の線分図で書くと以下のようになります

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 リボンの大小関係が分かりにくい図になってしまいました。リボンの数が4本や5本になると、1本の線分図を使って問題を整理する事が困難になります

 

このようなときは図を分けて考えると分かりやすくなります

図を分けるとはどういうことか、問1に戻って考えてみましょう

今回の問題は赤いリボンと青いリボンの長さを考える問題です。このようにいくつかの数量を比べるときは、比べるものの図を分けて考えると分かりやすくなります

赤いリボンと青いリボンをわけて書いていきましょう

 

 【問1】
赤と青のリボンがあわせて15mあります。青いリボンは赤いリボンより3m長いそうです。赤と青のリボンはそれぞれ何mですか?

【問1の解2】

「赤と青のリボンがあわせて15mあります」をそのまま線分図に書きます。問1の解1の時と違うのは分けて図を書いている点です

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次に、「青いリボンは赤いリボンより3m長いそうです」を書き足してみます

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何か見えてきませんか?

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青い点線でかこった部分が赤いリボン2本分ということに気付いてください。全体から3m短い長さが赤いリボン2本分ということになりますね。

青い点線でかこった部分全部の長さは

15-3=12(m)

赤いリボンの長さはその半分なので

12÷2=6(m)

となります。青いリボンは

6+3=9(m)

となります

 

図を分けて考える事で問題を解く事ができました

 

ところで、この図には重要なポイントが隠されている事に気づいたでしょうか?

算数が得意な子は無意識でできている事ですが、算数が苦手!図が書けない!図を書いても解き方が分からない!という子はポイントを知らないのではないでしょうか

「なにやらたいそうな事を覚えないといけないようだ」と感じないでください。難しくありません。一体どういう内容でしょうか?今回書いた図を見直してみます

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 何気なく図を書きましたが、「線のはしをそろえている」「そろえたほうと逆側で差をくらべている」となっています

 

問1を解くときに「青い点線でかこった部分が赤いリボン2本分」を強調しましたが、この点について、問1の解2をもう一度見てみてください

 

見ましたか?

では「線のはしをそろえる」「そろえたほうと逆側で差をくらべている」をしないとどうなるでしょうか。まず、「線のはしをそろえる」をしない場合を考えてみます

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 線のはしをそろえずに書くとこのようになります。「青い点線でかこった部分が赤いリボン2本分」というような関係に気づくことが難しくなりました(というか気づけないと思います)

次に「そろえたほうと逆側で差をくらべている」をしない場合を考えてみます

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 「そろえたほうと逆側で差をくらべている」をせずに、そろえたほうと同じ側に差を書きこむとこのようになります。こちらも「青い点線でかこった部分が赤いリボン2本分」というような関係に気づくことが難しくなりました(というか気づけないと思います)

以上より、「わける(図をわけて書く)」「そろえる」「差はそろえた方と逆側にかく」がポイントになります。ところで、「そろえる」にはもう一つ非常に重要な使い方があります

問1を別の解き方をし、その中でもう1つのポイントを紹介したいと思います


  【問1】
赤と青のリボンがあわせて15mあります。青いリボンは赤いリボンより3m長いそうです。赤と青のリボンはそれぞれ何mですか?

 

【問1の解3】

 「赤と青のリボンがあわせて15mあります」「青いリボンは赤いリボンより3m長い」を線分図に書くところまでは解2と同じです

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次に、赤いリボンを伸ばして青いリボンと長さをそろえてみます

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赤いリボンを3mのばして長さをそろえる事でこのようになりました。何か見えてきませんか?

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青い点線でかこった部分が青いリボン2本分ということに気付いてください。全体から3m長い長さが青いリボン2本分ということになりますね。

青い点線でかこった部分全部の長さは

15+3=18(m)

青いリボンの長さはその半分なので

18÷2=9(m)

となります。赤いリボンは

9ー3=6(m)

となります

 

【問1】について、いろいろな図の書き方を見てきましたが、混乱するでしょうか?

図の書き方を覚えようとしないで下さいね。覚えようとすると混乱します。当然すべての図の解き方を覚える事はできません。意味もありません

 

実際には、初めて問題に向き合ったときにいきなり正解の図がかけるとは限りません。むしろ、正解の図が書けない事が多いはずです

 いきなり正解の図がかけない事は当たり前と思ってください。だれでもそうです

問題を見たらまずどんな図でもよいので手を動かしてみましょう。そしてうまく整理できなかったらすぐに別の図を書いてみましょう

別の図を書くときはわける、そろえるを意識しすると良いです。また、複数の線で線分図を書いてうまくいかないときには1本の線にしてみるというのも当然ありです

線分図以外の図をかいてみるのも良いです

正解図も1つではありません。今回の【問1】も

  • 1本の線で線分図を書く(解1)
  • 2本の線で線分図を書く(解2)
  • 2本の線で線分図を書く(解3)

を紹介しましたね。すべて正解なのです。他にも正解の図はいくらでもかけます

 

ここまで見てきた「算数は図で考える」のポイントをまとめます

 

問題を解くポイント

1.問題文を、先頭から順に、そのまま図に書く
2.図に書く事で見えてくる事を図に書き足していく
3.いつのまにか問題が解けている

こちらについては「2.事例紹介」で説明しました。気になる人はもう一度見てみて下さい

 

「そのまま図に書く」ときのポイント

数量を比べたり整理するために

1.わける

2.そろえる

 線分図の場合:線の書き出しをそろえる、線の長さをそろえる

3.差はそろえた方と逆側で考える

 

解く力を伸ばすためのポイント

1.とにかく図を書く(図を書いて書いて書きまくる)

2.書いた図が分かりにくかったらすぐに別の図を書く

 分ける、そろえるを使ってみる

 面積図等の他の表現方法をつかってみる

 

それでは、頑張りましょう!

 

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